いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「全仏オープン」。日本時間6月9日の21時30分以降に行なわれる男子シングルス準決勝では、20歳で世界ランキング1位に君臨するカルロス・アルカラス(スペイン)と四大大会最多の23度目の優勝を狙うノバク・ジョコビッチ(セルビア/3位)による大注目の一戦が実現する。
クレーシーズンに入ってからもバルセロナ(ATP500)とマドリード(ATP1000)の2大会で優勝を飾るなど素晴らしい活躍を見せてきたアルカラスは、今回の全仏でも順当に勝ち上がり、現地6日に行なわれた準々決勝では第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/5位)に6-2、6-1、7-6(5)のストレートで勝利。大会初のベスト4へ駒を進めた。
一方ヒジのケガの状態が心配されていたジョコビッチは、苦しみながらも持ち前の粘り強さを発揮して勝ちを重ね、6日の準々決勝では第11シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/11位)を4-6、7-6(0)、6-2、6-4の逆転で撃破。全仏で2年ぶり12度目となる4強入りを果たした。
実は意外にも両者は昨年5月のマドリード・オープン(ATP1000)準決勝でしか対戦経験がない。この時は3時間35分にも及ぶ大激闘の末にアルカラスが6-7(5)、7-5、7-6(5)の逆転でジョコビッチに勝利していた。2度目の顔合わせとなる全仏準決勝は“事実上の決勝戦”とも称されているだけに、楽しみにしている人も非常に多いことだろう。
ATP(男子プロテニス協会)の公式サイトによると、アルカラスのコーチを務める元世界1位のフアン・カルロス・フェレーロ氏は、愛弟子も「事実上の決勝戦」の実現を待ち望んでいたと語る。続けてキャリア2度目の四大大会優勝を目標に掲げるアルカラスの精神状態は非常に良いとコメントした。
「彼が試合を楽しみにしているのはとてもいいことだし、ポジティブなことでもある。多くの場合、緊張して、ある状況下で気持ちを削がれてしまうことがあるものだが、彼はそのようなことはない。(準々決勝が終わってからの)この2日間で、彼はリラックスして、少しばかり回復し、100%の状態に持っていくつもりでいる。いつも通り、精神的にフレッシュであることが必要だ。それ以上のことはない」
その後フェレーロ氏はアルカラスが優勢と見られている中で、経験豊富なジョコビッチを強く警戒。そのうえでこう続けた。
「ノバクは史上最高の選手だ。彼のようなタイプの選手は、他の選手にはない解決策を見つけるものだ。彼は試合を研究し、カルロスがどのようなプレーをするか知っていて、対抗するための戦術を考えてくるはずだ。彼はどんなときでも屈しない。それでもカルロスの動きのスピードは、非常に良い。準決勝でもそれをキープし、試合を支配することができれば、彼はトップに立つチャンスをつかめるだろう。ノバクは不可能な試合を逆転させる能力があることを何度も示してきた。非常にタフな試合になるだろう」
アルカラスが新時代の扉を開くのか、それともジョコビッチが意地を見せるのか。“事実上の決勝戦”の結末はいかに…。
文●中村光佑
【PHOTO】アルカラスやジョコビッチら全仏オープン2023で奮闘する男子選手たち
クレーシーズンに入ってからもバルセロナ(ATP500)とマドリード(ATP1000)の2大会で優勝を飾るなど素晴らしい活躍を見せてきたアルカラスは、今回の全仏でも順当に勝ち上がり、現地6日に行なわれた準々決勝では第5シードのステファノス・チチパス(ギリシャ/5位)に6-2、6-1、7-6(5)のストレートで勝利。大会初のベスト4へ駒を進めた。
一方ヒジのケガの状態が心配されていたジョコビッチは、苦しみながらも持ち前の粘り強さを発揮して勝ちを重ね、6日の準々決勝では第11シードのカレン・ハチャノフ(ロシア/11位)を4-6、7-6(0)、6-2、6-4の逆転で撃破。全仏で2年ぶり12度目となる4強入りを果たした。
実は意外にも両者は昨年5月のマドリード・オープン(ATP1000)準決勝でしか対戦経験がない。この時は3時間35分にも及ぶ大激闘の末にアルカラスが6-7(5)、7-5、7-6(5)の逆転でジョコビッチに勝利していた。2度目の顔合わせとなる全仏準決勝は“事実上の決勝戦”とも称されているだけに、楽しみにしている人も非常に多いことだろう。
ATP(男子プロテニス協会)の公式サイトによると、アルカラスのコーチを務める元世界1位のフアン・カルロス・フェレーロ氏は、愛弟子も「事実上の決勝戦」の実現を待ち望んでいたと語る。続けてキャリア2度目の四大大会優勝を目標に掲げるアルカラスの精神状態は非常に良いとコメントした。
「彼が試合を楽しみにしているのはとてもいいことだし、ポジティブなことでもある。多くの場合、緊張して、ある状況下で気持ちを削がれてしまうことがあるものだが、彼はそのようなことはない。(準々決勝が終わってからの)この2日間で、彼はリラックスして、少しばかり回復し、100%の状態に持っていくつもりでいる。いつも通り、精神的にフレッシュであることが必要だ。それ以上のことはない」
その後フェレーロ氏はアルカラスが優勢と見られている中で、経験豊富なジョコビッチを強く警戒。そのうえでこう続けた。
「ノバクは史上最高の選手だ。彼のようなタイプの選手は、他の選手にはない解決策を見つけるものだ。彼は試合を研究し、カルロスがどのようなプレーをするか知っていて、対抗するための戦術を考えてくるはずだ。彼はどんなときでも屈しない。それでもカルロスの動きのスピードは、非常に良い。準決勝でもそれをキープし、試合を支配することができれば、彼はトップに立つチャンスをつかめるだろう。ノバクは不可能な試合を逆転させる能力があることを何度も示してきた。非常にタフな試合になるだろう」
アルカラスが新時代の扉を開くのか、それともジョコビッチが意地を見せるのか。“事実上の決勝戦”の結末はいかに…。
文●中村光佑
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