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海外テニス

錦織圭が会心のストレート勝利で決勝進出!「変な意味で自信がついていっちゃったりする」とコメントは控えめ<SMASH>

中村光佑

2023.06.18

連戦による疲労を感じつつも錦織は、落ち着いたプレーで勝利を収めた。復帰戦での優勝に期待が高まる。(写真は2021年のもの)。(C)Getty Images

連戦による疲労を感じつつも錦織は、落ち着いたプレーで勝利を収めた。復帰戦での優勝に期待が高まる。(写真は2021年のもの)。(C)Getty Images

 現在開催中の男子テニスツアーの下部大会「カリビアン・オープン」(6月12日~18日/プエルトリコ・パルマスデルマル/ハードコート/ATPチャレンジャー75)で約1年8か月ぶりの復帰戦に臨んでいる元世界ランク4位の錦織圭(33歳)が、現地6月17日に行なわれたシングルス準決勝に登場。世界423位のグスタボ・ハイデ(ブラジル)を6-4、6-2のストレートで下し、決勝進出を決めた。

 対戦相手のハイデは予選から勝ち上がってきた21歳の若手選手だが、現地16日の準々決勝では2011年のウインブルドンで四大大会初のベスト8に進出したこともある元世界17位のバーナード・トミック(オーストラリア/現378位)をフルセットで撃破。すでに疲労がピークに達している錦織が、勢いに乗るハイデをどう攻略するのか注目が集まっていた。

 両者初の顔合わせとなったこの日の準決勝は、序盤から互いに1歩も譲らない展開となる。錦織はハイデの強烈なショットと粘り強いディフェンスに苦戦を強いられるも何とかサービスキープを継続。再三のブレークチャンスを生かせないもどかしい状況が続く中でも、錦織は落ち着いたプレーでしっかりと相手に食らいついていく。

 第7ゲームで握られたブレークポイントをしのぎ切った錦織は、5-4で迎えた第10ゲームで正確なリターンを起点にブレークポイントをつかむと、最後は相手のダブルフォールトを誘ってついにこの日、初のブレークに成功。6-4で第1セットを先取する。
 
 第2セットでも先に均衡を破ったのは錦織だった。第6ゲームの最初のポイントでリターンエースを奪った錦織は、相手の前後の揺さぶりにも冷静に対応。ブレークポイントを握った直後のポイントでもハイデのドロップショットにしっかりと追いついてブレークを果たし、続く第7ゲームをキープして一気にリードを広げる。

 すると迎えた第8ゲームでは、鋭いリターンをことごとく相手コートの深い位置に突き刺してポイントを量産。マッチポイントを1回で取りきり、1時間27分で勝利を収めた。

 試合後にWOWOWのコートサイドインタビューで、錦織は会心の勝利を手にしたにもかかわらず「(これだけ勝ちが重なると)自分への期待感とか、ちょっとそれが増してくるから逆に良いプレーが出ないとおかしいなと思ってしまったり、変な意味で自信がついていっちゃったりする。ツアーで戦っていけるかと聞かれると、今はその自信はまだない」とどこか控え目なコメント。

 試合内容については「第1セット目は結構ぎりぎりで、取られてもおかしくなかった」と振り返りつつも、「しぶとくて良い球を打ってくる相手に勝てたことはよかった」と喜びを語った。

 決勝では19歳のマイケル・ジェン(アメリカ/1118位)と対戦する錦織。復帰戦でいきなり優勝を飾ることができるか、ファンからの期待は高まるばかりだ。

文●中村光佑

【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ

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