多くのアマチュアは自分自身でゲームの判定を下す「セルフジャッジ」でテニスの試合をしています。「自分で判定するなら簡単」と思うかもしれませんが、それは大間違い。いい加減な判定によってトラブルを起こすことが多々あるからです。
そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。
今回は「フェイスマスク」についてです。
紫外線が強くなるこの季節はテニス中の日焼けを避けたいもの。そこで日焼け防止用として「覆面のような大きなフェイスマスク」を装着してプレーをしている方を見かけます。では、こうしたフェイスマスクをしたままで、試合に出ることは可能でしょうか?
◆ ◆ ◆
草トーナメントなどでは、日焼け対策とし大型のフェイスマスクを装着し、サングラスをかけ、帽子をかぶってプレーする女性を見かけます。
こうした格好で試合をすることは、ローカルな大会では認められていますが、日本テニス協会が主催するような公式戦では使用できません。なぜなら顔が見えず、誰がプレーしているのかわからないからです。
極論すれば、これが認められてしまうと「替え玉」が試合をすることも可能になってしまいます。ルール的には、顔に何も着けない状態でプレーをしなければならいのです。
新型コロナウイルスの流行により、マスクに関しては感染予防を目的にプレー中の装着が認められているローカル大会もありました。とはいえ公式戦に関しては、たとえ感染予防が目的だとしても試合中に装着することはできません。
ただ、公式戦でもプレマッチミーティング(試合コートに入り荷物を置き、主審が中央に立って説明をしてコイントスをするまでの時間)の時はマスクを装着することはできます。主審と選手が接近するため、感染予防としてマスクを装着できるのです。
また、主審と話をする時やメディカルタイムアウトをとる時などは、逆に選手のマスク着用が義務付けられている大会もありました。
ローカルな大会に関しては、服装や(メーカー)ロゴに対する扱いと一緒で、規制が緩くなっているケースもあり、フェイスマスク着用でもプレー可能な大会もあります。日焼けが気になりマスクを着けたままプレーしたいのであれば、事前に大会側に確認を取ることをお勧めします。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年12月号より抜粋・再編集
【画像】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり
そうしたトラブルなしで試合を楽しむには、とにかくルールに詳しくなることが大切です。そこで元プロ選手で現在公認審判員も務める岡川恵美子氏にケース別でルールについて解説してもらいました。
今回は「フェイスマスク」についてです。
紫外線が強くなるこの季節はテニス中の日焼けを避けたいもの。そこで日焼け防止用として「覆面のような大きなフェイスマスク」を装着してプレーをしている方を見かけます。では、こうしたフェイスマスクをしたままで、試合に出ることは可能でしょうか?
◆ ◆ ◆
草トーナメントなどでは、日焼け対策とし大型のフェイスマスクを装着し、サングラスをかけ、帽子をかぶってプレーする女性を見かけます。
こうした格好で試合をすることは、ローカルな大会では認められていますが、日本テニス協会が主催するような公式戦では使用できません。なぜなら顔が見えず、誰がプレーしているのかわからないからです。
極論すれば、これが認められてしまうと「替え玉」が試合をすることも可能になってしまいます。ルール的には、顔に何も着けない状態でプレーをしなければならいのです。
新型コロナウイルスの流行により、マスクに関しては感染予防を目的にプレー中の装着が認められているローカル大会もありました。とはいえ公式戦に関しては、たとえ感染予防が目的だとしても試合中に装着することはできません。
ただ、公式戦でもプレマッチミーティング(試合コートに入り荷物を置き、主審が中央に立って説明をしてコイントスをするまでの時間)の時はマスクを装着することはできます。主審と選手が接近するため、感染予防としてマスクを装着できるのです。
また、主審と話をする時やメディカルタイムアウトをとる時などは、逆に選手のマスク着用が義務付けられている大会もありました。
ローカルな大会に関しては、服装や(メーカー)ロゴに対する扱いと一緒で、規制が緩くなっているケースもあり、フェイスマスク着用でもプレー可能な大会もあります。日焼けが気になりマスクを着けたままプレーしたいのであれば、事前に大会側に確認を取ることをお勧めします。
解説●岡川恵美子
17歳で全日本選手権を制覇して日本初の高校生プロとなる。グランドスラム(四大大会)では、全豪オープン3回戦進出をはじめ、全仏オープンやウインブルドンの本戦に出場。現在はベテラン大会に挑戦しながら、ITF国際審判員、JTA公認審判員も務める。
構成●スマッシュ編集部
※スマッシュ2022年12月号より抜粋・再編集
【画像】「その判定、ちょっと待った!」試合で見かけるトップ選手と審判の熱いやりとり