四大大会最多23度の優勝を誇る男子テニスのノバク・ジョコビッチ(セルビア/世界ランク2位)が、イギリスのポッドキャスト『On Purpose』にゲストで登場。その中で幼少期から慣れ親しんでいるテニスが自分にとってどのような意味を持つのかを包み隠さず語った。
ジョコビッチがテニスと出会ったのは4歳の時。両親が母国セルビアで経営するピザ屋の近所にテニススクールが新規オープンしたことがきっかけだった。11歳の時にはNATO(北大西洋条約機構)軍によるセルビア空爆が始まったことで生活苦を強いられたが、そんな中でも彼のテニスへの情熱が消えることはなかった。とてつもなく厳しい環境下で日々練習に励んできたことがジョコビッチの強さの源になっているのは間違いないだろう。
「僕は常にテニスへの情熱や愛、さらには欲望も持っていたし、心の中には炎も灯り続けていた」と明かすジョコビッチは、2003年にプロ転向を果たしてから瞬く間に世界のトップへと駆け上がる。
今ではグランドスラム23勝や男子テニス最長の世界1位通算在位期間(現時点で387週)、ダブルゴールデンマスターズ(全てのマスターズ1000大会を2回以上制覇すること)など、彼が手中に収めてきた功績を数え上げるのは至難の業と言っても過言ではない。
番組のタイトル(英語で“目的”の意)にちなみ、輝かしいキャリアを歩む中で「テニスをプレーする目的に変化が生じた」と語ったジョコビッチ。キャリアの序盤はどちらかと言えば「テニスをする目的が純粋にスポーツへの興味関心、利己心で成り立っていた」が、次第にトッププレーヤーとして「支えてくれている人々に尽くすことを重要視するようになっていった」という。これについては以下のように説明した。
「キャリアの中盤に差しかかったくらいの頃からかな。他者に献身することが最大の優先事項であり、最大の満足感を得ることにつながると考えている。またそれが人生の最大の目的になっている。初めは(テニスをするうえでの目的は)ある種自己中心的なものだったが、突然それは形を変え、今では他者に尽くすことがゴールになっている」
そのうえでジョコビッチは36歳にしてまだまだ現役にこだわり続ける理由をこう明かした。
「僕がプロとして競技を続けているのは、テニスが自分を成長させるプラットフォームだと考えているからだ。抑圧されたプログラムや恐れ、感情が、自分の人生において他にはないような形で表面化する。だから、僕にとってテニスコートはある意味、戦場であり教室でもある。テニスは全体として、またプラットフォームとして、情熱を人々と分かち合うことを可能にしてくれる」
約1週間後の開幕を控える四大大会「ウインブルドン」(7月3日~16日/イギリス・ロンドン/芝コート)では大会5連覇と前人未到のグランドスラム24勝目を狙うジョコビッチ。この先もまだまだ全選手の大きな壁となって立ちはだかることだろう。
文●中村光佑
【PHOTO】優勝のジョコビッチはじめ全仏オープン2023で奮闘する男子選手たちの厳選写真!
ジョコビッチがテニスと出会ったのは4歳の時。両親が母国セルビアで経営するピザ屋の近所にテニススクールが新規オープンしたことがきっかけだった。11歳の時にはNATO(北大西洋条約機構)軍によるセルビア空爆が始まったことで生活苦を強いられたが、そんな中でも彼のテニスへの情熱が消えることはなかった。とてつもなく厳しい環境下で日々練習に励んできたことがジョコビッチの強さの源になっているのは間違いないだろう。
「僕は常にテニスへの情熱や愛、さらには欲望も持っていたし、心の中には炎も灯り続けていた」と明かすジョコビッチは、2003年にプロ転向を果たしてから瞬く間に世界のトップへと駆け上がる。
今ではグランドスラム23勝や男子テニス最長の世界1位通算在位期間(現時点で387週)、ダブルゴールデンマスターズ(全てのマスターズ1000大会を2回以上制覇すること)など、彼が手中に収めてきた功績を数え上げるのは至難の業と言っても過言ではない。
番組のタイトル(英語で“目的”の意)にちなみ、輝かしいキャリアを歩む中で「テニスをプレーする目的に変化が生じた」と語ったジョコビッチ。キャリアの序盤はどちらかと言えば「テニスをする目的が純粋にスポーツへの興味関心、利己心で成り立っていた」が、次第にトッププレーヤーとして「支えてくれている人々に尽くすことを重要視するようになっていった」という。これについては以下のように説明した。
「キャリアの中盤に差しかかったくらいの頃からかな。他者に献身することが最大の優先事項であり、最大の満足感を得ることにつながると考えている。またそれが人生の最大の目的になっている。初めは(テニスをするうえでの目的は)ある種自己中心的なものだったが、突然それは形を変え、今では他者に尽くすことがゴールになっている」
そのうえでジョコビッチは36歳にしてまだまだ現役にこだわり続ける理由をこう明かした。
「僕がプロとして競技を続けているのは、テニスが自分を成長させるプラットフォームだと考えているからだ。抑圧されたプログラムや恐れ、感情が、自分の人生において他にはないような形で表面化する。だから、僕にとってテニスコートはある意味、戦場であり教室でもある。テニスは全体として、またプラットフォームとして、情熱を人々と分かち合うことを可能にしてくれる」
約1週間後の開幕を控える四大大会「ウインブルドン」(7月3日~16日/イギリス・ロンドン/芝コート)では大会5連覇と前人未到のグランドスラム24勝目を狙うジョコビッチ。この先もまだまだ全選手の大きな壁となって立ちはだかることだろう。
文●中村光佑
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