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海外テニス

「人生そのものが急に変わってしまうんだ」マリーが若くして注目を浴びたラドゥカヌ、アルカラスの抱える困難に共感<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.07.01

元世界王者のマリー(左)が、ラドゥカヌ(右下)、アルカラス(右上)の悩みについて共感を示した。(C)Getty Images

元世界王者のマリー(左)が、ラドゥカヌ(右下)、アルカラス(右上)の悩みについて共感を示した。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランキング1位のアンディ・マリー(イギリス/現39位/36歳)が『Yahoo Life』のインタビューに登場。その中で、若くして注目を集める存在となったエマ・ラドゥカヌ(イギリス/同132位/20歳)、カルロス・アルカラス(スペイン/同1位/20歳)の“困難”に共感を示した。

 ラドゥカヌは21年の全米オープンで目覚ましい活躍で優勝を飾り、18歳にして一躍脚光を浴びた。同じくアルカラスも18歳で22年の全米オープンを制し、史上最年少で世界ランキング1位を獲得。ともに10代ながら特出した活躍でテニス界に名前を刻んだ。

 しかし急に有名になったことで、周囲の人たちの期待やプレッシャーに悩まされるのも事実としてある。また、ソーシャルメディアでは批判の声も多く飛び交うため、アルカラスやラドゥカヌのようなトッププレーヤーであってもメンタルに影響を及ぼすだろう。

 特に、両手首と足首のケガに悩まされ、「ウインブルドン」(7月3日~16日/イギリス・ロンドン/芝コート/グランドスラム)欠場を表明しているラドゥカヌは、ファンの期待に応え続ける難しさについて「精神的に本当に苦しかった」と言及。「時々私は全米オープンで優勝しなければよかった」とも話している。

 一方、先月の全仏オープン準決勝でノバク・ジョコビッチ(セルビア/同2位)に敗退したアルカラスは、全身ケイレンを起こした試合後、「プレッシャーが原因だった。試合は本当に緊張して始まったんだ」とコメントしていた。
 
 そして今回、この二人が現在抱えているプレッシャーや厳しい視線に理解を示しているのが、19歳でブレイクした経験を持つマリーだ。2006年のウインブルドン3回戦で当時世界ランク5位のアンディ・ロディック氏(アメリカ)にストレート勝利を収め、ベスト16に進出し脚光を浴びた。

 このほどインタビューに応じたマリーは、突然の成功に伴う困難について言及。特にソーシャルメディアからの厳しいコメントには、「まだ自分のことがよくわからない段階だと思う。自意識過剰な時期でもあると思うし、若いうちは本当に難しいよ」とに同情の意を示した。

 グランドスラムで3度の優勝を誇るマリーは、突然有名になることの悪影響についてもコメント。それがいかに人生を一変させるかを強調して次のように語った。

「人生そのものが急に変わってしまうんだ。ある日、スーパーマーケットやレストラン、映画館に出かけて、普通の人がしていることをする。そして突然、人々から写真を求められ、パパラッチに尾行され、友人たちは違った目で見るようになる」

 かつて頂点を極めた男は、若くしてトップに立つことの難しさに理解を示しアドバイスを送った。プレー以外にも、周囲の人からの期待やプレッシャー、そしてSNSとの向き合い方も重要な課題なのかもしれない。

構成●スマッシュ編集部

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