現地7月16日に行なわれたテニス四大大会「ウインブルドン」の男子シングルス決勝で、20歳のカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランク1位)に敗れて大会5連覇を逃したノバク・ジョコビッチ(セルビア/同2位)が試合後の記者会見に登場。そのなかで自身に競り勝って新チャンピオンとなったアルカラスを手放しに称賛した。
6月の全仏オープン準決勝の再戦となったこの日の“頂上決戦”で幸先よくリードを奪ったのはジョコビッチだった。深さのあるストロークとリターンでアルカラスのミスを誘い、第1ゲームから5ゲームを連取して34分でセットアップ。ところが続く第2セットのタイブレークではセットポイントを握ったところからバックハンドの凡ミスを連発してセットオールに持ち込まれると、第3セットでも3度のブレークを喫してセットカウント1-2と絶体絶命の状況に。
第4セットでは再び攻撃的なリターンを起点にポイントを積み重ねて2セットオールに追いついたジョコビッチだったが、勝負のファイナルセットではブレークポイントでドライブボレーをミスするなどチャンスをものにできず。第3ゲームで先にブレークを献上してしまい、そのまま追いつくことができずに4時間42分で力尽きた。
決勝戦後の会見でジョコビッチは悔しさをにじませながら以下のように敗戦の弁を口にした。
「少し後悔している。チャンスはあったんだ。(先にセットポイントを握った)あの第2セットのタイブレークは、もっとうまく締めくくることができたと思う。正直言って、自分のバックハンドにがっかりさせられたよ。タイブレークのセットポイントでは彼(アルカラス)のバックがかなり深く入って、少々不規則なバウンドになったけど、それでもあのバックのショットはミスするべきではなかった」
一方でジョコビッチは改めてアルカラスのポテンシャルの高さに脱帽。今回のウインブルドン含めツアーでの経験が浅い若い選手が苦戦する傾向にある芝シーズンでアルカラスが驚異の適応能力を見せたことに触れつつ、次のようにコメントした。
「今年の彼は芝に適応するのが非常に早くてみんなを驚かせた。特に前哨戦のシンチ選手権(ATP500)における芝コートのツアー大会初優勝はカルロスの大きな支えになっただろう。彼はシンチ選手権の1回戦で負けそうになったのに、そこを乗り越えてからは勢いを増し始め、本当に良い選手たちにどんどん勝っていった」
「彼が今年、芝のコートでこれほど活躍するとは思っていなかったが、世界最高の選手であることは間違いない。彼は異なるサーフェスで素晴らしいテニスをしているし、今の位置にいるのにふさわしい。
正直言って、彼のような選手とはプレーしたことがない。ロジャー(フェデラー)とラファ(ナダル)には、それぞれ長所と短所があるが、カルロスはすでに完璧な選手で、ビッグ3全員の能力を合わせ持っている。その驚くべき適応能力は、あらゆるサーフェスで長きにわたって活躍することに加え、キャリアを成功させる鍵になるだろう」
数々の輝かしい功績を残してきたジョコビッチにこう言わしめるほど、アルカラスの強さは群を抜いているということだろう。それでも最後に36歳の鉄人は「また四大大会でアルカラスとの頂上決戦をやりたい」とコメント。「(今季最後の四大大会となる)全米オープンで戦えることを願っている」と締めくくった。
文●中村光佑
【PHOTO】ジョコビッチはじめウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真を公開!
6月の全仏オープン準決勝の再戦となったこの日の“頂上決戦”で幸先よくリードを奪ったのはジョコビッチだった。深さのあるストロークとリターンでアルカラスのミスを誘い、第1ゲームから5ゲームを連取して34分でセットアップ。ところが続く第2セットのタイブレークではセットポイントを握ったところからバックハンドの凡ミスを連発してセットオールに持ち込まれると、第3セットでも3度のブレークを喫してセットカウント1-2と絶体絶命の状況に。
第4セットでは再び攻撃的なリターンを起点にポイントを積み重ねて2セットオールに追いついたジョコビッチだったが、勝負のファイナルセットではブレークポイントでドライブボレーをミスするなどチャンスをものにできず。第3ゲームで先にブレークを献上してしまい、そのまま追いつくことができずに4時間42分で力尽きた。
決勝戦後の会見でジョコビッチは悔しさをにじませながら以下のように敗戦の弁を口にした。
「少し後悔している。チャンスはあったんだ。(先にセットポイントを握った)あの第2セットのタイブレークは、もっとうまく締めくくることができたと思う。正直言って、自分のバックハンドにがっかりさせられたよ。タイブレークのセットポイントでは彼(アルカラス)のバックがかなり深く入って、少々不規則なバウンドになったけど、それでもあのバックのショットはミスするべきではなかった」
一方でジョコビッチは改めてアルカラスのポテンシャルの高さに脱帽。今回のウインブルドン含めツアーでの経験が浅い若い選手が苦戦する傾向にある芝シーズンでアルカラスが驚異の適応能力を見せたことに触れつつ、次のようにコメントした。
「今年の彼は芝に適応するのが非常に早くてみんなを驚かせた。特に前哨戦のシンチ選手権(ATP500)における芝コートのツアー大会初優勝はカルロスの大きな支えになっただろう。彼はシンチ選手権の1回戦で負けそうになったのに、そこを乗り越えてからは勢いを増し始め、本当に良い選手たちにどんどん勝っていった」
「彼が今年、芝のコートでこれほど活躍するとは思っていなかったが、世界最高の選手であることは間違いない。彼は異なるサーフェスで素晴らしいテニスをしているし、今の位置にいるのにふさわしい。
正直言って、彼のような選手とはプレーしたことがない。ロジャー(フェデラー)とラファ(ナダル)には、それぞれ長所と短所があるが、カルロスはすでに完璧な選手で、ビッグ3全員の能力を合わせ持っている。その驚くべき適応能力は、あらゆるサーフェスで長きにわたって活躍することに加え、キャリアを成功させる鍵になるだろう」
数々の輝かしい功績を残してきたジョコビッチにこう言わしめるほど、アルカラスの強さは群を抜いているということだろう。それでも最後に36歳の鉄人は「また四大大会でアルカラスとの頂上決戦をやりたい」とコメント。「(今季最後の四大大会となる)全米オープンで戦えることを願っている」と締めくくった。
文●中村光佑
【PHOTO】ジョコビッチはじめウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真を公開!