ケガからの完全復活を目指す元世界ランク4位の錦織圭(現439位)が現在開催中の男子テニスツアー「アトランタ・オープン」(7月24日~30日/アメリカ・アトランタ/ハードコート/ATP250)で約1年9か月ぶりにATPツアーに復帰。現地7月25日の1回戦で世界63位のジョーダン・トンプソン(オーストラリア)と対戦し、7-6(5)、7-6(5)のストレートで勝利した。
先月中旬に約1年8か月ぶりのカムバックを遂げて以降は、復帰戦優勝を飾った「カリビアン・オープン」を含めチャレンジャー大会(下部大会)を回ってきた33歳の錦織。今回のアトランタにはプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)48位を行使して参戦。ついに2021年10月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)以来となるツアー公式戦の舞台に帰ってきた。
トンプソンとツアーで顔を合わせるのは今回が3度目。直近の対戦は21年ウインブルドン2回戦で、この時は錦織が5-7、4-6、7-5、3-6で敗れていた。トンプソンへのリベンジも期待されたこの日の初戦は序盤から緊迫した攻防が繰り広げられる。
開始直後の第1ゲームでいきなりブレークポイントを握られるも、ここを見事なバックハンドのダウンザラインで切り抜けた錦織は、すかさず直後の第2ゲームで3本のブレークポイントを握る。だがトンプソンが素晴らしいサービスを連発したことでチャンスを生かせず。拮抗した展開が続いた中で第6ゲームでも2本のブレークポイントを逃した錦織だったが、気持ちを落とすことなくサービスキープを続けてタイブレークへと持ち込む。
ここではトンプソンの1stサービスの確率が落ちたことで錦織が得意のリターンから形を作るパターンが増え、ストローク戦でも鋭いフォアハンドのクロスを起点に相手を押し込んで主導権を確保。3度のミニブレークに成功した錦織が接戦の末に第1セットを先取した。
第2セットも両者一歩も譲らない白熱の展開となる。トンプソンのキレのあるサービスに手を焼いてブレークポイントをつかめない錦織。それでも丁寧に広角に打ち分けるストロークで相手に流れを渡さず、第8ゲームでは2本のブレークポイントをセーブ。以降は互いに粘りのプレーを見せて再びタイブレークへと突入する。
ここでは錦織が先にミニブレークを献上する苦しい状況に立たされるも、重要なポイントでのトンプソンのダブルフォールトにも助けられて形勢逆転。攻めのテニスを最後まで貫いた錦織がまたしても3度のミニブレークに成功し、2時間25分の熱戦に終止符を打った。
見事ツアー復帰戦を白星で飾った錦織は、オンコートインタビューで試合内容を振り返りつつ以下のように喜びを語った。
「ベースライン上で彼(トンプソン)は堅実にプレーしていたから、自分の方が積極的に行かなければならなかった。もっとステップアップしなきゃいけないのかなと感じた瞬間はあったが、このタフなコンディションで、2セットで勝てて良かった」
勝利した錦織は2回戦で第6シードのベン・シェルトン(アメリカ/41位)と予選勝者のシャン・ジュンチャン(中国/156位)の勝者と対戦する。次戦も錦織らしい伸び伸びとしたプレーを見せてもらいたい。
文●中村光佑
【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ
先月中旬に約1年8か月ぶりのカムバックを遂げて以降は、復帰戦優勝を飾った「カリビアン・オープン」を含めチャレンジャー大会(下部大会)を回ってきた33歳の錦織。今回のアトランタにはプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)48位を行使して参戦。ついに2021年10月の「BNPパリバ・オープン」(ATP1000)以来となるツアー公式戦の舞台に帰ってきた。
トンプソンとツアーで顔を合わせるのは今回が3度目。直近の対戦は21年ウインブルドン2回戦で、この時は錦織が5-7、4-6、7-5、3-6で敗れていた。トンプソンへのリベンジも期待されたこの日の初戦は序盤から緊迫した攻防が繰り広げられる。
開始直後の第1ゲームでいきなりブレークポイントを握られるも、ここを見事なバックハンドのダウンザラインで切り抜けた錦織は、すかさず直後の第2ゲームで3本のブレークポイントを握る。だがトンプソンが素晴らしいサービスを連発したことでチャンスを生かせず。拮抗した展開が続いた中で第6ゲームでも2本のブレークポイントを逃した錦織だったが、気持ちを落とすことなくサービスキープを続けてタイブレークへと持ち込む。
ここではトンプソンの1stサービスの確率が落ちたことで錦織が得意のリターンから形を作るパターンが増え、ストローク戦でも鋭いフォアハンドのクロスを起点に相手を押し込んで主導権を確保。3度のミニブレークに成功した錦織が接戦の末に第1セットを先取した。
第2セットも両者一歩も譲らない白熱の展開となる。トンプソンのキレのあるサービスに手を焼いてブレークポイントをつかめない錦織。それでも丁寧に広角に打ち分けるストロークで相手に流れを渡さず、第8ゲームでは2本のブレークポイントをセーブ。以降は互いに粘りのプレーを見せて再びタイブレークへと突入する。
ここでは錦織が先にミニブレークを献上する苦しい状況に立たされるも、重要なポイントでのトンプソンのダブルフォールトにも助けられて形勢逆転。攻めのテニスを最後まで貫いた錦織がまたしても3度のミニブレークに成功し、2時間25分の熱戦に終止符を打った。
見事ツアー復帰戦を白星で飾った錦織は、オンコートインタビューで試合内容を振り返りつつ以下のように喜びを語った。
「ベースライン上で彼(トンプソン)は堅実にプレーしていたから、自分の方が積極的に行かなければならなかった。もっとステップアップしなきゃいけないのかなと感じた瞬間はあったが、このタフなコンディションで、2セットで勝てて良かった」
勝利した錦織は2回戦で第6シードのベン・シェルトン(アメリカ/41位)と予選勝者のシャン・ジュンチャン(中国/156位)の勝者と対戦する。次戦も錦織らしい伸び伸びとしたプレーを見せてもらいたい。
文●中村光佑
【連続写真】スイング中に時間のズレを調節する、錦織圭のジャックナイフ