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国内テニス

【伊達公子】熱中症やケイレンを回避!炎天下でプレーする時に心掛けるべきこと<SMASH>

伊達公子

2023.08.04

「一番良くないのは空腹でプレーすること」と言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

「一番良くないのは空腹でプレーすること」と言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

 8月に入り暑い日が続いています。暑い中でテニスをする時に気を付けていることはありますか? 今回は私が心掛けていたことを紹介します。

 夏になると外は暑いですが、建物の中は冷房が効いています。日本人は比較的冷房が効いている部屋にいすぎないようにと言われます。私は冷房が苦手なので長袖を着たり、長時間いると身体が動き出しづらくなるため、あまり長くいないようにしていました。

 逆に欧米では身体の体温を下げるべきという考えで、太陽に直接当たる時間を減らして冷房の部屋にいるようにしているようです。直射日光を浴びると疲れますし、その回復にも時間がかかるのも理由でしょう。どちらが良いのかは断言しかねますので、自分の身体に合う方を選ぶようにしてください。

 練習後や試合後には、アイスバスがある大会の場合には入ってリカバリーしていました。あとは、交代浴も。普通のお風呂とアイスバスとに交互に入ることで、血流が良くなり疲労回復になるんです。一般の方は2つのバスを用意するのは難しいので、シャワーで温度を変えて浴びると、表面的ですが疲労回復につながると思います。

 試合中の首に巻くアイスタオルや日焼け止めは、体温を上げ過ぎないようにするためのものですね。首だけでなく脇の下、太ももの内側も効果ありと言われています。酷暑のオーストラリアでは、会場に日焼け止めを塗るようにとのアドバイスが書かれていたことを思い出します。
 
 熱中症、脱水症状、ケイレンが起きないように、水分はたくさん摂ることが大事。できれば、スポーツドリンクと水の両方がいいですね。身体の中の栄養素はかなり消費されるので、スポーツドリンクで補いつつ、それだけだと甘ったるくてもっと喉が渇くこともあるので水も飲みます。私は試合がある日は、気温にもよりますが1日で4~5リットルは飲んでいたと思います。

 スポーツドリンク系の中にはクエン酸を入れることで、塩分を摂っていました。あと、ケイレン防止用に、ナトリウム系のシートも持参しており、ケイレンが来そうだなと思ったら、そのシートを10枚ぐらい舌の上に乗せて、どうにか回避しようとしていました。本来は症状を感じるよりも前から摂っておいた方がいいんですけどね。

 一番良くないのは空腹でプレーすることです。夏でもしっかり食べましょう。冷たいものに偏りがちになるので、その点も注意です。基本的に動く前はエネルギーになるものを食べます。お米、パン、パスタ、バナナなどです。動き終わったらタンパク質を摂って、身体が回復するようにしていました。今は疲労回復などのサプリメントもありますから、上手に使いましょう。

 夏は睡眠の質も落ちやすいので、身体の状態には気を使うことです。例えば、疲労が残っているのに、予定していたからと無理して炎天下でテニスをすると、ケガをしたり熱中症になりかねません。そんな時は短い時間で切り上げるなど、自分の身体の状態に敏感に反応できるようになることです。疲れを翌日に残さないことは、結果的に暑さ対策につながります。

文●伊達公子
撮影協力/株式会社SIXINCH.ジャパン

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