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国内テニス

新設の「アスアスラボ国際チャレンジカップ」第2週、18歳の奥脇莉音は決勝で敗れITF初タイトルならず<SMASH>

スマッシュ編集部

2023.08.06

ITFツアーの「W15札幌」2週目、優勝したナクロ(左)と準優勝の奥脇莉音(右)。奥脇はキャリア初の決勝進出だった。写真:(C)JWT50

ITFツアーの「W15札幌」2週目、優勝したナクロ(左)と準優勝の奥脇莉音(右)。奥脇はキャリア初の決勝進出だった。写真:(C)JWT50

 今年から創設された女子のITF(国際テニス連盟)ワールドツアー「W15札幌 アスアスラボ国際チャレンジカップsupported by JWT50」は8月6日に最終日を迎え、平岸庭球場(北海道札幌市)でシングルス決勝が行なわれた。日本の奥脇莉音がザサポーン・ナクロ(タイ)に挑んだが、2-6、3-6で敗れ、ITF初優勝はならなかった。

 この大会は日本女子テニスのレジェンドである伊達公子さんや杉山愛さんらで構成する「Japan Women's Tennis Top50 Club」(JWT50)が、世界への登竜門として作ったITFツアー6大会のうちの1つだ。

 下部ツアーであるITFツアーの中でも、最も低いグレードであるW15(賞金総額15,000ドル)に設定。世界のポイントを持たないジュニアや若手でも出場しやすく、国際舞台への最初の足掛かりにしてほしいという思いから6つの大会は作られた。

 今回の「W15札幌アスアスラボ国際チャレンジカップ」は、WEEK1(7月24日~30日)、WEEK2(7月31日~8月6日)、WEEK3(8月7日~13日)と、同一会場で3大会続けて開催中で、今週はその2週目だ。選手の移動負荷が少なく、遠征費も削減され、より多くのプレーヤーがエントリーしやすくなっている。

 世界ランク1194位で18歳の奥脇は、今大会にワイルドカード(主催者推薦)で出場。過去ITFツアーでの最高成績はベスト4だったが、初めての決勝に進出し、勢いのままに初タイトルを目指した。
 
 しかし先週のWEEK1で単複優勝を飾っているナクロ(968位)に、立ち上がりから流れを持っていかれる。第2ゲームをラブゲームでサービスブレークされた奥脇は、第4ゲームでもサービスダウンを喫し、一気に0-4と離される。その後1つブレークを返したものの、第8ゲームで3つ目のブレークを献上し、2-6で第1セットを落とした。

 第2セットも第2ゲームをブレークされて0-2となるが、ここから奥脇が粘りを見せる。続くナクロのサービスを3度のデュースの末にブレークバック。さらに自分のサービスで、3本のブレークポイントを凌いでキープに成功し、2-2のタイに。しかし健闘もそこまでで、以降はギアを上げたナクロに突き放され、3-6で第2セットも連取された。試合時間は1時間41分。

 敗れたとはいえ、自己記録を更新する決勝進出を果たした奥脇には拍手を送りたい。奥脇は伊達さんがジュニア育成のために2019年に発足させた「伊達公子×YONEX PROJECT」の第一期生だ。2年間の育成プログラムを卒業し、世界へと挑戦している奥脇が、JWT50の大会で結果を出したことには象徴的なものを感じる。

 名実ともに若手の登竜門として機能し始めたJWT50の国際大会シリーズ。次は誰が頭角を現してくるのか楽しみだ。

構成●スマッシュ編集部

【PHOTO】奥脇莉音も巣立った「伊達公子×YONEX PROJECT」。ジュニアたちが成長するキャンプの様子
 

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