現在開催中の男子テニスツアー「ナショナルバンク・オープン（８月７日～13日／カナダ・トロント／ハードコート／ATP1000）に出場する世界ランク１位のカルロス・アルカラス（スペイン／20歳）が大会開幕前のメディアデーに登場。初戦敗退を喫した前回大会を振り返りつつ、「昨年よりも良い結果を残したい」と意気込みを語った。

　殊勲の四大大会２勝目を手に入れたノバク・ジョコビッチ（セルビア／現２位）とのウインブルドン決勝からはや１か月、凄まじい勢いで成長を続ける男子テニス界のニューヒーローは、誰もが憧れるテニスの聖地で頂点に立った事実が未だに信じられないと語る。「ウインブルドンのトロフィーはリビングルームに飾ってあって、家族とランチやディナーをするたびにそのトロフィーが目に入るんだ」と述べたアルカラスはこう続けた。

「ウインブルドン優勝は忘れたくない出来事だ。でも１週間ほどしか優勝したことを考える時間がなかった。実現するのが難しいクレイジーなことだから、それを実感するにはもう少し時間が必要だったと思う。20歳でウインブルドンを優勝することは、テニスを始めた時から夢見ていたことだった。（今年のウインブルドンが）キャリア４度目となる芝コートの公式戦出場だったから、優勝は全くもって予想していなかった。僕にとっては快挙だけど、もっと時間をかけてそのことを振り返る必要がある」
  　今週のトロントから北米ハードシーズンをスタートするアルカラス。第２シードで参戦した昨年の同大会（モントリオール）では初戦となった２回戦でトミー・ポール（アメリカ／現14位）に７－６（４）、６－７（７）、３－６の逆転で敗れていただけに、今年こそは「昨年よりも良い結果を出したい」と意欲を見せる。「昨年はカナダで良い試合ができなかった」と回顧したアルカラスは、大舞台での経験値も身についた中で臨む今大会へ向け、ポジティブな言葉でインタビューを締めくくった。

「今年はそれ（昨年大会での初戦負けという結果）を変えるためにここに来た。上まで勝ち進んでいきたい。あれから１年、プレッシャーとの付き合い方など、多くのことを学んだと思う。大きなスタジアム、大きなステージでプレーし、大きなものを目指して戦ってきた。それは選手として、人間として成長するのにとても役立ったと思う。１年前の僕とは全然違う」

　なお今週のカナダ・マスターズに第１シードで参戦するアルカラスは１回戦が免除。初戦となる２回戦ではベン・シェルトン（アメリカ／41位）とベルナベ・サパタ・ミラレス（スペイン／64位）による１回戦の勝者と対戦する。キャリア５度目のマスターズ優勝を目指す20歳のヤングスターがどんなプレーを見せてくれるのか注目だ。

文●中村光佑

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