女子テニスツアー「ライブスポーツ・プラハ・オープン」(7月31日~8月6日/チェコ・プラハ/ハードコート/WTA250)は、現地7日にシングルス決勝を実施。日比野菜緒(世界ランク大会時136位)が、第4シードでリンダ・ノスコワ(チェコ/同71位)を6-4、6-1のストレートで下し、キャリア3度目となるツアー優勝を飾った。
今大会は予選決勝で敗れながらもラッキールーザー(予選敗者が繰り上がる措置)で本戦入りを果たしていた日比野。初戦で元世界5位のサラ・エラーニ(イタリア/同119位)をフルセットで破って以降は怒涛の快進撃を見せて勝ち上がってきた。
ちなみに今大会は幾度となく悪天候に見舞われたことで進行に大幅な遅れが生じ、1週間で全ての試合を終えられないという不測の事態も発生した。現地6日に始まったジャクリーン・クリスチャン(ルーマニア/同122位)との準決勝も2度の試合中断を強いられたことに加え、日比野から見て6-4、6-7(2)、5-2とリードしたところで日没順延となってしまう。翌7日にはこの試合の続きが行なわれ、結局日比野がファイナルセットを6-3で制して決勝に進んでいた。
準決勝終了から程なくして挙行された決勝では、日比野が連戦の疲労を感じさせない見事なパフォーマンスを披露する。ノスコワを大きく左右に揺さぶるアグレッシブなテニスでポイントを重ねるとともに、粘り強いディフェンスで相手のミスを誘って主導権を確保。開始3ゲームを連取されたところから一気に形勢を逆転し、第1セットを6-4で先取した。
また、今大会はオクサナ・カラシニコワ(ジョージア)とペアを組んだダブルスでも決勝に進出した日比野。シングルス決勝終了直後にダブルス決勝が行なわれるという過酷な状況の中でも素晴らしいプレーを見せ、クイン・グリーソン/エリクサーヌ・レシェミア(アメリカ/フランス)を6-7(7)、7-5、10-3の逆転で撃破。殊勲の単複優勝を成し遂げた。
WTA(女子テニス協会)の公式サイトには“トリプルヘッダー”を戦い抜いて有終の美を飾った日比野の喜びのコメントが以下のように掲載されている。
「トップ100に返り咲くことは、今年の最大の目標だった。素晴らしい気分。シングルス、ダブルス共に自分のプレーにとても満足している。非常に疲れていたし、シングルス準決勝ではファイナルセット5-2という勝利目前のスコアで中断したのが初めてだったから、とても緊張していた。(大会を通して)集中力をキープするのは難しかったし、足も重かったけど、1ポイントごとに自分に(戦い続けようと)言い聞かせていた。できる限りボールを返そうとした」
最高の形で大会を締めくくり、世界ランキングを84位まで上げた日比野。単複ともに終始質の高いプレーができたことは大きな自信につながるはずだ。今後のさらなる活躍に期待したい。
文●中村光佑
【PHOTO】日比野菜緒のフォアハンドの強打、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』
今大会は予選決勝で敗れながらもラッキールーザー(予選敗者が繰り上がる措置)で本戦入りを果たしていた日比野。初戦で元世界5位のサラ・エラーニ(イタリア/同119位)をフルセットで破って以降は怒涛の快進撃を見せて勝ち上がってきた。
ちなみに今大会は幾度となく悪天候に見舞われたことで進行に大幅な遅れが生じ、1週間で全ての試合を終えられないという不測の事態も発生した。現地6日に始まったジャクリーン・クリスチャン(ルーマニア/同122位)との準決勝も2度の試合中断を強いられたことに加え、日比野から見て6-4、6-7(2)、5-2とリードしたところで日没順延となってしまう。翌7日にはこの試合の続きが行なわれ、結局日比野がファイナルセットを6-3で制して決勝に進んでいた。
準決勝終了から程なくして挙行された決勝では、日比野が連戦の疲労を感じさせない見事なパフォーマンスを披露する。ノスコワを大きく左右に揺さぶるアグレッシブなテニスでポイントを重ねるとともに、粘り強いディフェンスで相手のミスを誘って主導権を確保。開始3ゲームを連取されたところから一気に形勢を逆転し、第1セットを6-4で先取した。
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第2セットに入ってからも日比野の勢いは止まらなかった。雨による一時中断を挟みながらも、第2ゲームをキープしてからはノスコワを全く寄せつけずに71分で完勝。2019年9月の「花キューピッドジャパンウイメンズオープンテニスチャンピオンシップス」(日本・広島/当時WTAインターナショナル・現WTA250)以来約4年ぶりとなるツアー3勝目を手に入れた。また、今大会はオクサナ・カラシニコワ(ジョージア)とペアを組んだダブルスでも決勝に進出した日比野。シングルス決勝終了直後にダブルス決勝が行なわれるという過酷な状況の中でも素晴らしいプレーを見せ、クイン・グリーソン/エリクサーヌ・レシェミア(アメリカ/フランス)を6-7(7)、7-5、10-3の逆転で撃破。殊勲の単複優勝を成し遂げた。
WTA(女子テニス協会)の公式サイトには“トリプルヘッダー”を戦い抜いて有終の美を飾った日比野の喜びのコメントが以下のように掲載されている。
「トップ100に返り咲くことは、今年の最大の目標だった。素晴らしい気分。シングルス、ダブルス共に自分のプレーにとても満足している。非常に疲れていたし、シングルス準決勝ではファイナルセット5-2という勝利目前のスコアで中断したのが初めてだったから、とても緊張していた。(大会を通して)集中力をキープするのは難しかったし、足も重かったけど、1ポイントごとに自分に(戦い続けようと)言い聞かせていた。できる限りボールを返そうとした」
最高の形で大会を締めくくり、世界ランキングを84位まで上げた日比野。単複ともに終始質の高いプレーができたことは大きな自信につながるはずだ。今後のさらなる活躍に期待したい。
文●中村光佑
【PHOTO】日比野菜緒のフォアハンドの強打、ハイスピードカメラによる『30コマの超分解写真』