海外テニス

復帰後好調だったスビトリーナが足を痛め戦線離脱。全米に黄信号も「最大限回復に努めたい」<SMASH>

中村光佑

2023.08.16

ブランク明けで勝ち続けていた代償か、スビトリーナが足の故障でシンシナティ大会を急遽欠場。「本当に残念」と無念の思いを語った。(C)Getty Images

 第1子の出産を経て今年4月に約1年ぶりのカムバックを果たした女子テニス元世界ランク3位のエリナ・スビトリーナ(ウクライナ)に関して、ちょっと心配なニュースが入ってきた。今週出場を予定していたツアー大会「ウェスタン&サザン・オープン」(8月14日~20日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート/WTA1000)を足の負傷により欠場すると発表したのだ。

 実戦復帰を遂げて以降、素晴らしい活躍を見せている28歳のスビトリーナ。6月の全仏オープンでベスト8、先月のウインブルドンでもベスト4入りを果たし、一時1300位台まで落としていたランキングも現在は26位と順調に完全復活ロードを歩んでいる。

 北米ハードシーズンに入ってからも好調を維持。今月初旬の「ムバダラ・シティDCオープン」(WTA500)でもベスト8まで勝ち上がり、さらなるランクアップに期待が寄せられていた。だが産休明けから数多くの試合をこなしてきた代償は大きかったようだ。

 体力的に厳しかった中で臨んだ先週の「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)では1回戦でダニエル・コリンズ(アメリカ/現34位)に2-6、2-6で完敗。今週のシンシナティでは初戦で現役に復帰したばかりのキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク/元1位)と対戦するはずだったが、フィジカルの問題を理由に出場辞退を表明した。
 
 その詳細についてスビトリーナは現地8月14日に更新したX(旧ツイッター)で次のように説明している。

「不幸なことに私はウインブルドン以来足に痛みを感じていて、モントリオール終了後に検査を受けるよう勧められました。その結果、対処と休養を必要とする問題がいくつか見つかったので、今年はシンシナティでプレーすることはできません」

 続けて「どの大会でも棄権するのは本当に残念です。愛するシンシナティのファンの前でプレーするのが大好きなので、余計につらいです」と無念の心境を綴りながらも「医学的なアドバイスには従わなければいけません」と謙虚な言葉を綴ったスビトリーナ。

 出場に黄色信号が灯っている今季最後の四大大会「全米オープン」(8月28日~9月10日/アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)に向け、「何とか間に合うように、最大限回復に努めたいと思います」と締めくくった。

 1日も早くトップに戻ろうと多少無理をしていた部分もあったのかもしれない。ニューヨークの舞台でスビトリーナが伸び伸びとプレーする姿が見られるよう、とにかく今は足の治療に専念してほしい。

文●中村光佑

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