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海外テニス

内島萌夏と坂詰姫野が全米オープン予選決勝で敗退!あと一歩及ばなかったがともに自身の成長を実感<SMASH>

内田暁

2023.08.28

予選決勝で敗れた内島萌夏だが「試合を重ねるごとに自分のテニスが良くなっている」と手応えを口にした。写真(左):(C)Getty Images、写真(右):内田暁

予選決勝で敗れた内島萌夏だが「試合を重ねるごとに自分のテニスが良くなっている」と手応えを口にした。写真(左):(C)Getty Images、写真(右):内田暁

 本戦には、もう1勝、あるいはもう1ポイント届かなかった。

 それでも全米オープン予選の決勝を戦った2人にとっては、いずれも収穫の多い試合であり、経験だったはずだ。

 内島萌夏(世界ランキング173位)がグランドスラム予選の決勝に達するのは、今回の全米が4度目。今季は、全仏オープンでも予選決勝に上がっているが、その時に比べればプレー内容や精神面が大きく変化しているのは、傍目にも明らかだった。

 全仏の時は、勝利こそついてきたものの、コート上の彼女に笑顔はない。

「自分のテニスが見えてこない」

 本人も、抱える悩みを隠そうともしなかった。

 選手にとって、短期間でのランキングの急上昇は、時に足かせにもなる。前年に獲得したポイントを守れなければ、ランキングの下降を意味するからだ。

 2022年序盤にITF大会で優勝し大きくポイントを稼いだ内島も、そのジレンマに陥る。自身のテニスの模索期に、戦いの舞台が急激に上がったことで、ゴールへの順路が見えにくくなった。
 
 その彼女が今大会予選では、明らかにプレーが変わっていた。ボールの芯をクリーンに打ち抜く、フォアの爆発力が戻っている。試合中の闘志の表出や、試合後の表情も明るい。

 何か変化があったのかと問うと、「先週のスタンフォード(WTA125)から、やっと良くなりました」と言った。

「久しぶりに高いレベルの人たちを相手に、4試合をこなせた。試合をするたびに自分のテニスも良くなって」

 突如としてかみ合ったという歯車。はたして、何かきっかけはあったのかと問うと、「強いて言うなら」と前置きした上で、こう続けた。

「大会前に、日比野(菜緒)さんと練習させてもらったんです。日比野さんは、ツアー優勝したばかり。身近な先輩が優勝したことはすごく刺激になったし、内容的にも良い練習ができました」

 渡米前の日比野が、プラハのWTAツアー大会で果たした単複優勝。その快挙は、海を挟んだアメリカで戦う内島にもモチベーションとなり、実際に練習をともにした時には、何かをつかむ契機となった。

 今回の全米オープン予選は、結果的には決勝で大ベテランのベラ・ズボナレワに敗れた。ただ同じ予選決勝敗戦でも、その価値やプレー内容は3か月前の全仏とは全く異なる。
 
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