ジュニアの全国チャンピオンを決める「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2023」が８月17日から28日まで有明テニスの森テニスコートで開催。大会最終日を迎えた28日には、男女16歳以下の単複決勝が行なわれた。

　シングルスは全て３セットマッチ（６ゲームズオール後は７ポイントタイブレーク）で実施。ダブルスはノーアド方式、２タイブレークセットで行なわれ、ファイナルセットにもつれた場合、10ポイントマッチタイブレークで勝負を決定する。

　今年、女子シングルスの頂点に立ったのは、第２シードの野口紗枝（関東・レニックステニススクール）。全日本ジュニアではベスト16が最高成績だったため、「まずはベスト16の壁を破ろう」という気持ちで今大会に臨んだという。「調子がずっと良くなかった。でも試合を重ねていくうちに、自分のペースをつかむことができた」とそのまま勢いに乗り、優勝をつかんだ。

　決勝の相手は第４シードの山本晄（関東・MAT Tennis Academy）。フラット系のストロースを軸にバックハンドのダウン・ザ・ライン、カウンターショットを随所に決めてくる選手だ。試合序盤、野口は山本のプレーに苦戦したが、「相手より先にミスしない」と普段よりディフェンシブなプレーを選択。「高めの弾道で深く打って、相手に踏み込む時間を与えない」ことで主導権を握り、勝利をものにした。
  　一方、女子ダブルスは、第２シードの石島侑寿／野口紗枝（関東・レニックステニススクール）が優勝。野口は単複２冠を達成した。

　野口／石島は決勝でノーシードから勝ち上がった有馬璃音／稲見美咲（関東・あじさいMTCアカデミー) に息の合ったペアワークでストレート勝利。今大会をU18で出場しようと悩んでいた野口だが、「侑寿（石島）とだったら、単複優勝できると思ってU16で出ることに決めた」という。続けて、「侑寿のことは信頼しているし、そこはペアを組むうえで大きいと思う」とコメント。石島も野口について「テニススクールも高校も一緒なので、仲は一番良い」と笑顔で語った。

　16歳以下女子の結果は以下の通り。

◆女子シングルス決勝結果 
野口紗枝(関東・レニックステニススクール) 6-4 6-3 山本晄(関東・MAT Tennis Academy) 

◆女子ダブルス決勝結果 
石島侑寿／野口紗枝(関東・レニックステニススクール) 6-3 6-2 有馬璃音／稲見美咲(関東・あじさいMTCアカデミー) 

※各カテゴリーのシングルス男女優勝者８名には副賞として、またフェアかつベストプレーの姿勢で臨んだ選手を全カテゴリーの中から男女１名ずつを大会推薦として、米フロリダにあるIMGテニスアカデミーの合宿に招待される。しかも現地では本大会のアンバサダーを務める錦織圭選手と一緒に練習できる機会も用意される予定。

取材・文●前道右京（スマッシュ編集部）

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