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海外テニス

「かなり辛い」全仏OPで加藤未唯を”失格”に追い込んだボウズコワがSNS上の罵詈雑言に悲痛な胸中「相手が不利になるのは一度も望んでいない!」

THE DIGEST編集部

2023.08.29

全仏OP後、SNS上での非難が止まないボウズコワが苦悩を吐露した。(C)Getty Images

全仏OP後、SNS上での非難が止まないボウズコワが苦悩を吐露した。(C)Getty Images

 悲痛な胸中が小さくない反響を呼んでいる。

 チェコ出身のプロテニスプレーヤー、マリー・ボウズコワが米テニス専門メディア『tennis.com』のインタビュー記事で、SNS上で攻撃され続けている現状を告白。「かなり辛い」と苦悩を吐露している。

 事の発端は現地6月4日、四大大会「全仏オープン」の女子ダブルス3回戦での出来事だ。ボウズコワはサラ・ソリベストルモ(スペイン)とのペアで加藤未唯/アルディラ・スチアディ(日本/インドネシア)組と対戦。その試合中、加藤が何気なく打った球がボールガールの頭部を直撃。混乱した少女は涙が止まらず、主審はいったん加藤に警告を言い渡した。

 だが、この判定を不服として猛抗議したのがボウズコワ/ソリベストルモ組だ。結果的に加藤は大会側から失格処分を食らい、試合は中止。さらに加藤は女子ダブルスでの賞金とポイントを剥奪され、罰金まで科されるに至った。この裁定に納得がいかない加藤はグランドスラムにすぐさま異議申し立てを行なったが、結局判定は覆らず。その後混合ダブルスで優勝を飾ったものの、釈然としないまま大会を後にした。
 
 加藤の失格には大きな波紋が広がり、処分を決めた大会側には海外メディアやテニス識者から猛烈な非難が相次いだ。無論、日本人プレーヤーを「失格」に追い込むきっかけを作った対戦ペアにも、同様に痛烈なバッシングが連日浴びせられた。

 スポーツマンシップに欠ける行為をしたとして、両者のインスタグラムには誹謗中傷のコメントが殺到。母国の英雄であるマルチナ・ナブラチロワ氏やプロテニス選手協会、プレーヤー仲間たちからもその言動を問題視する声が続々と上がった。

 ボウズコワは同メディアのインタビュー内で、当時の状況を回顧。「あれ以来、私はソーシャルメディア(SNS)から少し距離を置くようになった。SNSでは、常にいじめられる人がいるものだから」と告白。「今でも何かを共有すると、多くの人から憎しみを投稿される感情的な日がまだある」と語り、いまだに罵詈雑言が絶えない状況だという。「自分が悪い人間だと感じるような状況に陥ったことがないので、今でもかなり辛い」と明かしている。

 勝負に勝つためとはいえ執拗な失格を主張した結果、世界中から大きな反感を買うほどの”悪役”となり果ててしまったボウズコワ。25歳のテニスプレーヤーは「謝罪したい」とも話しており、「私たちは対戦相手が不利になるようなことを望んでいたわけではありませんし、一度もないです。それがすべての基本であり、ルール上そうであるにもかかわらず、私たちが何かを押し付けたと思われていることが、すべてをとても悲しいものにしている」と悲痛な叫びを訴えている。

 テニス界に大きな波紋を広げた行動から約3か月が経過した今でも、彼女の苦悩はいまだ尽きないようだ。

構成●THE DIGEST編集部

【動画】加藤未唯の球がボールガールの頭部を直撃…対戦ペアの抗議もあって失格処分となる一部始終

【画像】加藤組が協議するなか、ベンチで“ほくそ笑む”ボウズコワとソリベストルモ

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