海外テニス

元女王ウォズニアッキの快進撃終わる。復帰後3大会を戦い「自分が目指している場所にいる」と手応え<SMASH>

中村光佑

2023.09.05

全米オープン4回戦、ガウフに敗れたものの、スタンドの歓呼の声に包まれてコートを去るウォズニアッキ。「多くのことを学べた」と復帰後の戦いを振り返った。(C)Getty Images

 現在開催中のテニス四大大会「全米オープン」は現地9月3日に女子シングルス4回戦が行なわれ、センターコート第2試合に元世界女王のキャロライン・ウォズニアッキ(デンマーク)が登場。地元勢で第6シードのココ・ガウフ(アメリカ/世界ランク6位)に挑むも3-6、6-3、1-6のフルセットで敗れ、惜しくもベスト8進出を逃した。

 先月の「ナショナルバンク・オープン」(カナダ・モントリオール/WTA1000)で約3年半ぶりの現役復帰を果たした33歳のウォズニアッキ。ブランク明けから間もない中で臨んだ今回の全米でもその強さは健在だった。

 タチアナ・プロゾロワ(ロシア/227位)との1回戦で2020年全豪オープン以来となる四大大会での勝利を挙げると、2回戦では元世界2位のペトラ・クビトワ(チェコ/現11位)をストレートで撃破。さらにはジェニファー・ブレイディ(アメリカ/元13位/現433位)との4回戦も4-6、6-3、6-1の逆転で突破し、18年全仏オープン以来実に5年ぶりとなるグランドスラム(四大大会)ベスト16へと駒を進めていた。

 そんな彼女が4回戦で対戦したのは女子テニス界のニューヒロインとして注目を浴びている19歳のガウフ。全米前哨戦の「ウェスタン&サザン・オープン」では、四大大会に次ぐWTA1000シリーズで初めてとなる優勝を飾るなど好調を維持している。一回り以上の年齢差がある若手を相手に、ウォズニアッキがどんなプレーを見せてくれるのか注目が集まっていた。
 
 試合開始直後の第1ゲームでいきなりブレークを果たしたウォズニアッキだったが、以降は母国ファンの声援を浴びて生き生きとプレーするガウフに苦戦。2度のブレークを喫して第1セットを落としてしまう。キープが続いた第2セットは第7ゲームから3ゲームを連取してセットオールに持ち込んだものの、ファイナルセットではわずか1ゲームしか奪えず、2時間の接戦の末に4回戦敗退となった。

 それでも今大会の結果にはある程度満足したのか、試合後の記者会見では充実の表情を浮かべたウォズニアッキ。全米を含め計3大会でプレーした北米ハードシリーズを振り返り、次のように手応えを語った。

「3つの大会(モントリオール、シンシナティ、全米)で、自分のテニスとフィジカル面がどうなっているか知りたかった。そこから多くのことを学べた。私はまさに自分が目指している場所にいる。改善できる点はまだいくつかあるけど、全体的にはとてもポジティブな結果だった。どの試合でも成長できたと思う」

 なおノルウェーのスポーツメディア『TV2 Sport』でジャーナリストを務めるニコライ・ドヴィンゲ氏によると、同会見でウォズニアッキは「今回の全米をもって23年シーズンを終了する」と表明したという。現時点では来年1月に開かれる四大大会「全豪オープン」(1月16日~29日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)の出場を目指すとしている。

文●中村光佑

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