タイトル防衛への挑戦が幕を閉じた。
テニス四大大会「全米オープン」は現地9月3日に女子シングルス4回戦が行なわれ、昨年優勝のイガ・シフィオンテク(ポーランド/世界ランク1位)は第20シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア/同21位)に6-3、3-6、1-6の逆転で敗退。4年連続4度目のベスト8入りと大会連覇を逃した。
オスタペンコには過去0勝3敗と相性が悪く、類まれな強さで女子ツアーを席巻するシフィオンテクにとって“天敵”ともいえる相手だ。その不安は的中した。
第1セットで主導権を握ったのはシフィオンテクだった。初戦から全てストレートで勝ち上がってきた22歳の若き女王は第1ゲームでいきなりブレークを喫すも、直後の第2ゲームでブレークバックしてすぐさまイーブンに戻す。第5ゲームから3ゲームを連取し、そのままリードを保って1セットアップ。
ところが第2セットに入ってからはオスタペンコの強打に大苦戦。思うようにプレーさせてもらえないまま1セットオールに持ち込まれると、ファイナルセットでも第1ゲームから立て続けに5ゲームを献上。1つブレークを返すも第7ゲームでラブゲームブレークを許し、1時間47分で力尽きた。
無念の表情を浮かべながら試合後の記者会見に臨んだシフィオンテクは次のように敗戦の弁を口にした。
「自分のレベルがあれほど下がったことに驚いている。私のプレーが悪い時は、試合の最初に良くないプレーをして、そこから追いついたり問題を修正したりする感じになるけど、今回は全く逆だった。自分のプレーに何が起こったのか本当にわからない。突然コントロールできなくなった。原因を調べてみないとわからない」
この敗戦により、シフィオンテクは大会終了後に更新される世界ランキングで実に75週守り続けてきた1位からの陥落が確定。これについては女王ならではのプレッシャーにさらされていたことを率直に明かした。
「世界1位は自分にとって大きな意味を持っていて、その地位にいることは素晴らしいものだった。でも最近はもう疲れ果てていた。フェデラー(スイス)、ジョコビッチ(セルビア)、ナダル(スペイン)と同じように、ランキングではなく大会だけに集中する必要がある。
私は記録自体は大好きだけど、普段は自分の記録を見ない。私は1位の記録をもう少し伸ばしたいと思っていたし、もっと若い時は常に記録を破ることを夢見ていたけど、四大大会で優勝した最初のポーランド人女子選手になった時にそれを成し遂げた。明らかに、世界1位になったことは残酷なものでもあった」
それでも「かなり奇妙だった今日の試合を除けば、確かに自分は選手として進歩していると感じている。より多くのスキルが身に付いている」と前向きな言葉も残したシフィオンテク。心身ともに疲労しきっているのがよくわかるだけに、しっかりと休養を取ってリフレッシュしてほしい。
文●中村光佑
【PHOTO】シフィオンテク、オスタペンコら全米オープン2023で存在感を放つ女子トップ選手の厳選ショット!
テニス四大大会「全米オープン」は現地9月3日に女子シングルス4回戦が行なわれ、昨年優勝のイガ・シフィオンテク(ポーランド/世界ランク1位)は第20シードのエレナ・オスタペンコ(ラトビア/同21位)に6-3、3-6、1-6の逆転で敗退。4年連続4度目のベスト8入りと大会連覇を逃した。
オスタペンコには過去0勝3敗と相性が悪く、類まれな強さで女子ツアーを席巻するシフィオンテクにとって“天敵”ともいえる相手だ。その不安は的中した。
第1セットで主導権を握ったのはシフィオンテクだった。初戦から全てストレートで勝ち上がってきた22歳の若き女王は第1ゲームでいきなりブレークを喫すも、直後の第2ゲームでブレークバックしてすぐさまイーブンに戻す。第5ゲームから3ゲームを連取し、そのままリードを保って1セットアップ。
ところが第2セットに入ってからはオスタペンコの強打に大苦戦。思うようにプレーさせてもらえないまま1セットオールに持ち込まれると、ファイナルセットでも第1ゲームから立て続けに5ゲームを献上。1つブレークを返すも第7ゲームでラブゲームブレークを許し、1時間47分で力尽きた。
無念の表情を浮かべながら試合後の記者会見に臨んだシフィオンテクは次のように敗戦の弁を口にした。
「自分のレベルがあれほど下がったことに驚いている。私のプレーが悪い時は、試合の最初に良くないプレーをして、そこから追いついたり問題を修正したりする感じになるけど、今回は全く逆だった。自分のプレーに何が起こったのか本当にわからない。突然コントロールできなくなった。原因を調べてみないとわからない」
この敗戦により、シフィオンテクは大会終了後に更新される世界ランキングで実に75週守り続けてきた1位からの陥落が確定。これについては女王ならではのプレッシャーにさらされていたことを率直に明かした。
「世界1位は自分にとって大きな意味を持っていて、その地位にいることは素晴らしいものだった。でも最近はもう疲れ果てていた。フェデラー(スイス)、ジョコビッチ(セルビア)、ナダル(スペイン)と同じように、ランキングではなく大会だけに集中する必要がある。
私は記録自体は大好きだけど、普段は自分の記録を見ない。私は1位の記録をもう少し伸ばしたいと思っていたし、もっと若い時は常に記録を破ることを夢見ていたけど、四大大会で優勝した最初のポーランド人女子選手になった時にそれを成し遂げた。明らかに、世界1位になったことは残酷なものでもあった」
それでも「かなり奇妙だった今日の試合を除けば、確かに自分は選手として進歩していると感じている。より多くのスキルが身に付いている」と前向きな言葉も残したシフィオンテク。心身ともに疲労しきっているのがよくわかるだけに、しっかりと休養を取ってリフレッシュしてほしい。
文●中村光佑
【PHOTO】シフィオンテク、オスタペンコら全米オープン2023で存在感を放つ女子トップ選手の厳選ショット!