海外テニス

引退表明の土居美咲が東レPPOテニスで金星獲得!「まさかこんなことになるとは…」と本人も驚く<SMASH>

小松崎弘(スマッシュ編集部)

2023.09.27

今大会での引退を表明している土居美咲が格上を相手に見事な勝利を飾って次につなげた。写真:滝川敏之

 国内最高峰の女子テニスツアー「東レ パン パシフィック オープンテニス2023」(9月25日~10月1日/東京・有明/WTA500)は大会2日目の26日、シングルス1回戦とダブルス1回戦を実施。シングルスでは、今大会での引退を表明している元世界30位の土居美咲(現331位)が格上のペトラ・マルティッチ(クロアチア/同49位)を7-5、6-2のストレートで下す金星を手にした。

「これが見納めか…」そんなファンの不安を払拭するように、土居はキレのあるストロークを駆使して立ち上がりから3ゲームを連取。時間が経つと引退の原因にもなった腰痛が出てくるので「第1セットで飛ばして、第2セットで戦えなくなってもいい」と序盤からアクセル全開でコートを疾走する土居。マルティッチの放つ時速190キロ超の弾丸サービスにもタイミングよく対応してゲームの流れを掌握。7-5で第1セットを奪う。

 迎えた第2セットに入っても土居のスピードは落ちず。「早く終わらせよう」とストロークが定まらない相手を畳みかけるように土居はポイントを重ね、第4ゲームでブレークに成功するとそのまま突き進み6-2でマルティッチを振り切って勝利を手にした。
 
 試合直後、感極まってコート上で目頭を押さえていた土居は、親友の奈良くるみによるオンコートインタビューで感想を聞かれると「今日の相手はすごく強い選手ですし、今日で最後になるかもしれないと思って挑んだ試合だったんですが、まさかこんなことになるとは思ってなくてうれしいです」と笑顔をみせた。

 そして次戦に向けては「本当に自分の出せる力の全てを出して、チャレンジャーだと思うので、また勝利に少しでも近づけるように頑張りたいと思います」と力を込めた。土居の次なる相手は、前週開催されたグアダラハラ(メキシコ/WTA1000)で優勝している世界6位のマリア・サッカリ(ギリシャ)。

 土居は「(サッカリは)素晴らしい選手なのでワクワクしている。フィジカルが強いのでタフな試合になるだろうけど、優勝した翌週の大会は入り方が難しい部分もあるのでチャンスはあるかと思う」と語る。思い出の詰まった有明を舞台に"土居劇場"は第2幕へと続く。

[26日の試合結果]
■シングルス1回戦(32ドロー)
土居美咲[Q] 〇 75 62 ●ペトラ・マルティッチ(クロアチア)
リンダ・ノスコワ(チェコ)〇 62 75 ●坂詰姫野[LL]
デスピナ・パパミハイル(ギリシャ)[Q]〇 76(3) 75 〇 細木咲良[LL]
エカテリーナ・アレクサンドロワ(ロシア)〇 67(7) 61 75 ●アンナ・カリンスカヤ(ロシア)[WC]
アナスタシア・パブリチェンコワ(ロシア)〇 61 61 ●ドナ・ベキッチ(クロアチア)
ベロニカ・クデルメトワ(ロシア)[8]〇 63 76(4) ●ハリエット・ダート(イギリス)[Q] 
ダリア・カサキナ(ロシア)[6]〇 36 64 63 ●マルタ・コスチュク(ウクライナ)

■ダブルス1回戦(16ドロー)
青山修子/柴原瑛菜[2] 〇 76(2) 16 [10-6] ●本玉真唯/内島萌夏
U・エイケリ/I・ニール(ノルウェー/エストニア)〇 64 36 [10-5] ●A・クルーガー/J・ペグラ(アメリカ)

※名前の後の数字はシード順位、WC=主催者推薦出場、Q=予選勝ち上がり、LL=ラッキールーザー

取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)

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