現在開催中の女子テニスツアー「中国オープン」(9月30日~10月8日/中国・北京/WTA1000)に出場した世界ランク23位のジェン・チンウェン(中国)が、大会開幕前の記者会見で、自身とのコーチ契約を突然終了させた名将ウィム・フィセッテ氏(ベルギー)に対する不快感を示した。
四大大会を複数回制したキム・クリステルス(ベルギー)、ビクトリア・アザレンカ(ベラルーシ)、シモナ・ハレップ(ルーマニア)、アンジェリーク・ケルバー(ドイツ)など、名だたるトッププレーヤーを指導した経験を持つフィセッテ氏。2019年12月には大坂なおみ(元1位)のコーチに就任し、翌年9月の全米オープン、21年1月の全豪オープンで大坂を優勝へと導いた。
その大坂と昨年7月に師弟関係を解消し、今年のグラス(芝)コートシーズンからコーチとしてジェンを指導していたフィセッテ氏だったが、先月末には同氏が「ジェンとのコーチ契約を突如終了させた」と報じられていた。なお各種海外メディアによれば、フィセッテ氏は、来シーズンに産休から復帰予定の大坂と再タッグを組む可能性が高いという。
今回の会見でジェンは一連の報道に関する詳細を説明するとともに、フィセッテ氏への不信感を口にした。
「先日の全米オープンの最中に、彼が大坂のチームと接触していたことを知った。全米で負けた直後、彼は私に"君とはいい関係性を築けていないような気がする"と言ってきた。でも彼がそんなふうに言ってきたことはなかった。とても不思議な気分だった。マネージャーに彼が大坂のチームに加わるかどうかを尋ねた。マネージャーは、いや、彼は(話し合いもせずに)そんなことをする人間ではないと答えた。
しかしそれから1週間して、彼は突然、"今後は大坂と仕事をするつもりだ"と私に言ってきた。それは私と私のチームメンバー、そして私の家族にとって非常にショッキングな出来事だった。私はそれを聞いて泣いたわ。私たちのタッグにおいては喧嘩も議論も特になく、新しいことは何もなかった」
その後ジェンは「彼は何も間違ったことはしていない。大坂の方が彼により良いものを与えられると思う。彼にも養わなければならない家族がいる」としつつも、「契約の終わり方としては非倫理的だと思った」と率直にコメント。「彼の決断は理解できるけど、彼を許すという意味ではない」と改めて不満を漏らした。
先日の杭州アジア大会の女子シングルスで金メダルを獲得するなど、活躍を続けているジェン。フィセッテ氏とのタッグは思わぬ形で終わりを告げてしまったが、いち早く彼女が良き指導者と出会えることを願うばかりだ。
文●中村光佑
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その大坂と昨年7月に師弟関係を解消し、今年のグラス(芝)コートシーズンからコーチとしてジェンを指導していたフィセッテ氏だったが、先月末には同氏が「ジェンとのコーチ契約を突如終了させた」と報じられていた。なお各種海外メディアによれば、フィセッテ氏は、来シーズンに産休から復帰予定の大坂と再タッグを組む可能性が高いという。
今回の会見でジェンは一連の報道に関する詳細を説明するとともに、フィセッテ氏への不信感を口にした。
「先日の全米オープンの最中に、彼が大坂のチームと接触していたことを知った。全米で負けた直後、彼は私に"君とはいい関係性を築けていないような気がする"と言ってきた。でも彼がそんなふうに言ってきたことはなかった。とても不思議な気分だった。マネージャーに彼が大坂のチームに加わるかどうかを尋ねた。マネージャーは、いや、彼は(話し合いもせずに)そんなことをする人間ではないと答えた。
しかしそれから1週間して、彼は突然、"今後は大坂と仕事をするつもりだ"と私に言ってきた。それは私と私のチームメンバー、そして私の家族にとって非常にショッキングな出来事だった。私はそれを聞いて泣いたわ。私たちのタッグにおいては喧嘩も議論も特になく、新しいことは何もなかった」
その後ジェンは「彼は何も間違ったことはしていない。大坂の方が彼により良いものを与えられると思う。彼にも養わなければならない家族がいる」としつつも、「契約の終わり方としては非倫理的だと思った」と率直にコメント。「彼の決断は理解できるけど、彼を許すという意味ではない」と改めて不満を漏らした。
先日の杭州アジア大会の女子シングルスで金メダルを獲得するなど、活躍を続けているジェン。フィセッテ氏とのタッグは思わぬ形で終わりを告げてしまったが、いち早く彼女が良き指導者と出会えることを願うばかりだ。
文●中村光佑
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