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海外テニス

世界女王陥落のシフィオンテクが逆転負けを喫した全米4回戦を回顧「今回の敗戦が完全な失敗だとは思っていない」<SMASH>

中村光佑

2023.09.21

先日の全米オープン4回戦でオスタペンコに敗退したシフィオンテク。これまで世界女王という立場上、試合数も多く「身体を作るための時間を確保できなかった」と悩みを明かした。(C)Getty Images

先日の全米オープン4回戦でオスタペンコに敗退したシフィオンテク。これまで世界女王という立場上、試合数も多く「身体を作るための時間を確保できなかった」と悩みを明かした。(C)Getty Images

 大会連覇を狙った先日の全米オープン(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート/四大大会)でまさかの4回戦敗退を喫し、75週間にわたって維持していた世界ランキング1位の座を失ったイガ・シフィオンテク(ポーランド/現世界2位)。それでも22歳の若きヒロインは「そこまで気にしていない」としてすでに前を向いている。

 ディフェンディングチャンピオンとして今年の全米に参戦したシフィオンテクは、初戦から順当に勝ち上がるも、4回戦で過去0勝3敗と分の悪いエレナ・オスタペンコ(ラトビア/現16位)に6-3、3-6、1-6の逆転で敗退。タイトル防衛を逃すとともにとうとう世界1位からも陥落してしまった。

 先日欧米スポーツメディア『Eurosports』のインタビューにおいて、全米での4回戦負けを振り返ったシフィオンテクは、オスタペンコに苦手意識を持っていることを素直に認め、他にも相性が悪い選手がいると明かした。「私は彼女(オスタペンコ)と対戦するのは好きではない。単純に心地よくプレーさせてくれない選手は(他にも)いる。おそらく彼女は反対に、とりわけ私のプレースタイルにアジャストしやすいのだと思う。ただこれは、テニスにおいてはごく自然なことよ」

 そのうえでシフィオンテクは大舞台での苦い経験も必ずや今後のキャリアにプラスに働くと考えている。「四大大会の4回戦で負けたのは初めてではなかった」と前置きした22歳は以下のようにポジティブな言葉を続けた。
 
「多くの人が言うように、私は今回の敗戦が完全な失敗だとは思っていない。そのような(早いラウンドで負けてしまう)大会もあることはわかっている。昨年の全米も4回戦で敗退するところだった。そのような状況から抜け出せる場合もあれば、抜け出せない場合もある」

 その後シフィオンテクはこれまで世界女王という立場上、多くの大会でプレーしなければならなかったために「身体を作るための時間を確保できなかった」と告白。

「自分が1位でなければ(逆に)アスリートとしてもっと成長できたかもしれない」とトッププレーヤーならではの苦悩も語ったシフィオンテクは「来シーズンはツアースケジュールの見直しを考えている。大会の合間のトレーニングに時間を費やしたい。私はテクニックを向上させるのに1~2週間かかるタイプの選手だから」と締めくくった。

 そんなシフィオンテクは、再出発の場として今月25日に開幕する「東レパンパシフィック オープンテニス」(東京・有明/ハードコート/WTA500)への出場を決意。彼女が日本でプレーするのは、2021年の東京オリンピック以来となる。復帰戦に定めた東レPPOで再び輝きを放つことができるのか、多くのファンがその戦いぶりに注目している。

文●中村光佑

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