男子テニスツアー「中国オープン」(9月28日~10月4日/中国・北京/ハードコート/ATP500)は現地4日にシングルス決勝を実施。第6シードのヤニック・シナー(イタリア/大会時世界ランク7位)が第2シードのダニール・メドベージェフ(ロシア/同3位)を7-6(2)、7-6(2)で下し、ツアー9勝目を飾った。
今大会は試合中の嘔吐やケイレンといったハプニングに見舞われながらも持ち前のメンタルの強さで勝ち上がってきたシナー。2回戦で西岡良仁(同38位)、準々決勝でグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/同19位)を破ると、勢いそのままに準決勝でも同年代の良きライバル、カルロス・アルカラス(スペイン/同2位)を7-6(4)、6-1のストレートで下し、過去6戦全敗のメドベージェフとの決勝に駒を進めていた。
準決勝後のオンコートインタビューでは「絶対に対戦したくない相手」と天敵のメドベージェフに苦手意識を持っていることを素直に認めていたシナーだったが、決勝ではそれを感じさせないほどの素晴らしいプレーを披露した。
正確なバックハンドのダウンザラインと強力なフォアハンドでメドベージェフを左右に揺さぶってポイントを量産。ピンチではサーブ&ボレーを効果的に織り交ぜながら懸命に相手に食らいついていく。スマッシュミスなどで嫌なムードになりかけた場面もあったが、淡々とサービスキープを続けたシナーがタイブレークの末に第1セットを先取した。
第2セットに入っても強打で相手を押し込んでいくシナーは、ほぼ全てのラリー戦で主導権を確保。対するメドベージェフも持ち前の強烈なサービスと安定したストロークで粘りを見せ、またしても両者一歩も譲らない展開となる。それでも勝負のタイブレークでは第1セット同様にシナーが攻撃的なプレーでメドベージェフを圧倒。マッチポイントでは強烈なフォアのリターンエースを決め、2時間1分の熱戦を制した。
試合後の表彰式でシナーは"7度目の正直"で初勝利を挙げたメドベージェフに対し、ジョークを交えて感謝の気持ちを伝えた。
「ダニール、少なくとも1試合は勝たせてくれてありがとう(笑)。特に今年は、僕たち2人は非常にタフな戦いを繰り広げてきた。僕をより良い選手にしてくれてありがとう。あなたに勝つためにたくさんのトレーニングをしてきた」
そして最後には日々支えてくれているチームメンバーへ次のように謝意を示した。「僕のチームは懸命に努力している。本当に感謝しているよ。(みんなで)こういった瞬間を共有できるのは特別なことだ」
この優勝により世界ランキングでも7位から4位に浮上したシナー。この後は休む間もなく現在開催中の「ロレックス上海マスターズ(10月4日~15日/中国・上海/ハードコート/ATP1000)」に第6シードでの出場を予定している。体力的には厳しいかもしれないが、シーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(11月12日~19日/イタリア・トリノ/ハードコート)の出場権獲得に向け、上海でも勝ちを積み重ねたいところだ。
文●中村光佑
【動画】シナーがメドベージェフから初白星を挙げて優勝した中国オープン決勝ハイライト
【連続写真】ムチのように関節を柔らかく使ったシナーのフォアハンド「30コマの超連続写真」
【PHOTO】シナーはじめウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たち
今大会は試合中の嘔吐やケイレンといったハプニングに見舞われながらも持ち前のメンタルの強さで勝ち上がってきたシナー。2回戦で西岡良仁(同38位)、準々決勝でグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/同19位)を破ると、勢いそのままに準決勝でも同年代の良きライバル、カルロス・アルカラス(スペイン/同2位)を7-6(4)、6-1のストレートで下し、過去6戦全敗のメドベージェフとの決勝に駒を進めていた。
準決勝後のオンコートインタビューでは「絶対に対戦したくない相手」と天敵のメドベージェフに苦手意識を持っていることを素直に認めていたシナーだったが、決勝ではそれを感じさせないほどの素晴らしいプレーを披露した。
正確なバックハンドのダウンザラインと強力なフォアハンドでメドベージェフを左右に揺さぶってポイントを量産。ピンチではサーブ&ボレーを効果的に織り交ぜながら懸命に相手に食らいついていく。スマッシュミスなどで嫌なムードになりかけた場面もあったが、淡々とサービスキープを続けたシナーがタイブレークの末に第1セットを先取した。
第2セットに入っても強打で相手を押し込んでいくシナーは、ほぼ全てのラリー戦で主導権を確保。対するメドベージェフも持ち前の強烈なサービスと安定したストロークで粘りを見せ、またしても両者一歩も譲らない展開となる。それでも勝負のタイブレークでは第1セット同様にシナーが攻撃的なプレーでメドベージェフを圧倒。マッチポイントでは強烈なフォアのリターンエースを決め、2時間1分の熱戦を制した。
試合後の表彰式でシナーは"7度目の正直"で初勝利を挙げたメドベージェフに対し、ジョークを交えて感謝の気持ちを伝えた。
「ダニール、少なくとも1試合は勝たせてくれてありがとう(笑)。特に今年は、僕たち2人は非常にタフな戦いを繰り広げてきた。僕をより良い選手にしてくれてありがとう。あなたに勝つためにたくさんのトレーニングをしてきた」
そして最後には日々支えてくれているチームメンバーへ次のように謝意を示した。「僕のチームは懸命に努力している。本当に感謝しているよ。(みんなで)こういった瞬間を共有できるのは特別なことだ」
この優勝により世界ランキングでも7位から4位に浮上したシナー。この後は休む間もなく現在開催中の「ロレックス上海マスターズ(10月4日~15日/中国・上海/ハードコート/ATP1000)」に第6シードでの出場を予定している。体力的には厳しいかもしれないが、シーズン最終戦「Nitto ATP ファイナルズ」(11月12日~19日/イタリア・トリノ/ハードコート)の出場権獲得に向け、上海でも勝ちを積み重ねたいところだ。
文●中村光佑
【動画】シナーがメドベージェフから初白星を挙げて優勝した中国オープン決勝ハイライト
【連続写真】ムチのように関節を柔らかく使ったシナーのフォアハンド「30コマの超連続写真」
【PHOTO】シナーはじめウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たち