男子テニスツアー「ナショナルバンク・オープン」(8月7日~13日/カナダ・トロント/ハードコート/ATP1000)は、現地13日にシングルス決勝を実施。第7シードのヤニック・シナー(イタリア/世界ランク8位)が、ノーシードのアレックス・デミノー(オーストラリア/同18位)を6-4、6-1のストレートで下し、悲願のマスターズ初優勝を達成した。
先月初旬のウインブルドンで四大大会初のベスト4入りを果たすなど今季も安定した成績を残しているシナー。今大会はアンディ・マリー(イギリス/元1位/現40位)の試合前棄権による3回戦での不戦勝を含めてスムーズに勝ち上がると、世界王者に君臨するカルロス・アルカラス(スペイン/20歳)を破ったトミー・ポール(アメリカ/14位)にもストレートで勝利して今季2度目のマスターズ決勝へ駒を進めていた。
準優勝を収めた先週の「ミフェル・テニス・オープン」(ATP250)に続く2週連続の決勝進出を果たしたデミノーとの大一番を迎えたシナーは、この日も立ち上がりから持ち前の強烈なショットが炸裂。鋭いリターンとフォアハンドを軸にポイントを量産し、第2、6ゲームでブレークに成功する。デミノーがラリーのペースを落としてきたことでミスを重ねて2度ブレークバックを献上するも、冷静なプレーを継続したシナーが計3度のブレークを獲得して6-4で第1セットを先取した。
第2セットに入ってからは勢いに乗るシナーが主導権を確保。第3ゲームをキープしてからは立て続けに5ゲームを奪い、1時間29分で待ちに待ったビッグタイトルを手に入れた。
過去2度のマスターズ決勝(2回ともマイアミ・オープン)ではいずれも敗れていたシナー。今大会のダブルスでペアを組んだデミノーを振り切って“3度目の正直”を果たした21歳の俊才は、試合後のオンコートインタビューで次のように喜びを語った。
「この優勝は大きな意味がある。素晴らしい結果だ。毎日僕を近くで支えてくれる全ての人たちとこの喜びを分かち合うことができる。彼らと共有できる素晴らしい瞬間だし、僕たちは(その瞬間のために)正しいことをしている。この結果は、我々を良い気分にさせてくれる上に強くさせ、今後も努力を重ねるための意欲を掻き立ててくれるものだ」
そして最後には改めて「誇りに思うよ」とコメント。「ここでの対戦相手はみんなタフだった。プレッシャーはあったけど、うまく対処できたと思う。ポイントごとに自分のプレーをしようと心掛けた。コート上では誰に対しても敬意を持って接することができた」と締めくくった。
今回の優勝でツアー8勝目を飾ったシナーは、世界ランキングが8位から6位に浮上することが確定。キャリア初のトップ5入りはもう目の前だ。次戦のマスターズ1000大会「ウェスタン&サザン・オープン」(8月13日~20日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート)には体力的に厳しい中で参戦することにはなるが、さらなる高みを目指して1つでも多く勝ち上がりたいところだ。
文●中村光佑
【PHOTO】シナーはじめウインブルドン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真を公開!
先月初旬のウインブルドンで四大大会初のベスト4入りを果たすなど今季も安定した成績を残しているシナー。今大会はアンディ・マリー(イギリス/元1位/現40位)の試合前棄権による3回戦での不戦勝を含めてスムーズに勝ち上がると、世界王者に君臨するカルロス・アルカラス(スペイン/20歳)を破ったトミー・ポール(アメリカ/14位)にもストレートで勝利して今季2度目のマスターズ決勝へ駒を進めていた。
準優勝を収めた先週の「ミフェル・テニス・オープン」(ATP250)に続く2週連続の決勝進出を果たしたデミノーとの大一番を迎えたシナーは、この日も立ち上がりから持ち前の強烈なショットが炸裂。鋭いリターンとフォアハンドを軸にポイントを量産し、第2、6ゲームでブレークに成功する。デミノーがラリーのペースを落としてきたことでミスを重ねて2度ブレークバックを献上するも、冷静なプレーを継続したシナーが計3度のブレークを獲得して6-4で第1セットを先取した。
第2セットに入ってからは勢いに乗るシナーが主導権を確保。第3ゲームをキープしてからは立て続けに5ゲームを奪い、1時間29分で待ちに待ったビッグタイトルを手に入れた。
過去2度のマスターズ決勝(2回ともマイアミ・オープン)ではいずれも敗れていたシナー。今大会のダブルスでペアを組んだデミノーを振り切って“3度目の正直”を果たした21歳の俊才は、試合後のオンコートインタビューで次のように喜びを語った。
「この優勝は大きな意味がある。素晴らしい結果だ。毎日僕を近くで支えてくれる全ての人たちとこの喜びを分かち合うことができる。彼らと共有できる素晴らしい瞬間だし、僕たちは(その瞬間のために)正しいことをしている。この結果は、我々を良い気分にさせてくれる上に強くさせ、今後も努力を重ねるための意欲を掻き立ててくれるものだ」
そして最後には改めて「誇りに思うよ」とコメント。「ここでの対戦相手はみんなタフだった。プレッシャーはあったけど、うまく対処できたと思う。ポイントごとに自分のプレーをしようと心掛けた。コート上では誰に対しても敬意を持って接することができた」と締めくくった。
今回の優勝でツアー8勝目を飾ったシナーは、世界ランキングが8位から6位に浮上することが確定。キャリア初のトップ5入りはもう目の前だ。次戦のマスターズ1000大会「ウェスタン&サザン・オープン」(8月13日~20日/アメリカ・シンシナティ/ハードコート)には体力的に厳しい中で参戦することにはなるが、さらなる高みを目指して1つでも多く勝ち上がりたいところだ。
文●中村光佑
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