先日ヒジの故障から約8か月ぶりに実戦復帰した男子テニス元世界ランク10位のパブロ・カレノブスタ(スペイン/現195位)が、母国のテニス専門メディア『Punto de Break』の独占インタビューに回答。ツアートーナメントでの使用球が統一されていないことと、自身が負ったヒジのケガには関連性があるのではないかとの持論を展開した。
最近、大会使用球に関して多くの選手から批判の声が上がっている。世界8位のテイラー・フリッツ(アメリカ)は10月1日に更新した自身の公式X(@Taylor_Fritz97)で、海外メディア『The Tennis Letter』がボールの変更による選手のケガの増加を指摘した投稿を引用し、「北米ハードシリーズが始まって以来、手首の問題に対処してきた。その原因は大会の使用球変更で、3週間で3つの異なるボールを使っていた」と不満を漏らしていた。
また今週初めには、下部大会の「ブエノスアイレス・チャレンジャー」で予選を突破した366位のガスタオ・エリアス(ポルトガル/32歳)が自身のX(@GastaoElias)で、大会使用球の変更が選手に多大な負担をかけているとしてATP(男子プロテニス協会)を痛烈に批判。
「私はATPに対し、彼らが指定しているボールで僕たち選手がプレーした後に必要となる身体のケアを行なうための費用を支払うよう求めます。私は何年もツアーに参加していますが、このような状況に直面したことは一度もありません。これは非人道的行為です」と綴った。
エリアスのコメントにはテニーズ・サンドグレン(アメリカ/204位)やパウラ・バドサ(スペイン/現56位)ら著名選手も賛意を示しているが、彼らに続く形でカレノブスタも同様の意見を主張した。先週母国で行なわれた「アリカンテ・チャレンジャー」で今年2月のロッテルダム大会(ATP500)以来となる実戦復帰を遂げたカレノブスタは、「大会のボール変更がヒジのケガにつながったと思うか?」との問いに対し、次のように回答した。
「そう確信している。実は全仏オープンの前に、復帰に向けてアカデミーで幾つかのボールを使って練習したが、セット練習を含めうまくいっていた。それから全仏の使用球に切り替えて練習を始めたところ、20分後にはヒジが再び炎症を起こしたから、プレーをやめる必要があった。ボールが大きく異なっていることは明らかであり、使用球の継続的な変化は影響を及ぼしていると思う」
「先週はあるブランドのボールでプレーし、今週は別のブランドになる。チャレンジャーでは、より頻繁に使用球が変更されるため、さらに状況は悪化しやすいが、ATPツアーでも頻繁にボールが変わっている。2つの連続したトーナメントで実質的に同じタイプのボールでプレーすることはない。同様に(年初の)オーストラリアシリーズまたはクレーシーズンでも、ボールのブランドを変更している。それがさらなるケガを引き起こしている」
実のところ今年に入ってからカレノブスタをはじめ、数多くの選手がヒジや肩のケガに苦しんでいる。大会使用球の頻繁な変更が故障の引き金となっているのであれば、テニス団体で早急に対応策を検討すべきだろう。
文●中村光佑
【PHOTO】カレノブスタはじめ、全米オープン2022で熱戦を繰り広げる男子選手たちの厳選写真!
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最近、大会使用球に関して多くの選手から批判の声が上がっている。世界8位のテイラー・フリッツ(アメリカ)は10月1日に更新した自身の公式X(@Taylor_Fritz97)で、海外メディア『The Tennis Letter』がボールの変更による選手のケガの増加を指摘した投稿を引用し、「北米ハードシリーズが始まって以来、手首の問題に対処してきた。その原因は大会の使用球変更で、3週間で3つの異なるボールを使っていた」と不満を漏らしていた。
また今週初めには、下部大会の「ブエノスアイレス・チャレンジャー」で予選を突破した366位のガスタオ・エリアス(ポルトガル/32歳)が自身のX(@GastaoElias)で、大会使用球の変更が選手に多大な負担をかけているとしてATP(男子プロテニス協会)を痛烈に批判。
「私はATPに対し、彼らが指定しているボールで僕たち選手がプレーした後に必要となる身体のケアを行なうための費用を支払うよう求めます。私は何年もツアーに参加していますが、このような状況に直面したことは一度もありません。これは非人道的行為です」と綴った。
エリアスのコメントにはテニーズ・サンドグレン(アメリカ/204位)やパウラ・バドサ(スペイン/現56位)ら著名選手も賛意を示しているが、彼らに続く形でカレノブスタも同様の意見を主張した。先週母国で行なわれた「アリカンテ・チャレンジャー」で今年2月のロッテルダム大会(ATP500)以来となる実戦復帰を遂げたカレノブスタは、「大会のボール変更がヒジのケガにつながったと思うか?」との問いに対し、次のように回答した。
「そう確信している。実は全仏オープンの前に、復帰に向けてアカデミーで幾つかのボールを使って練習したが、セット練習を含めうまくいっていた。それから全仏の使用球に切り替えて練習を始めたところ、20分後にはヒジが再び炎症を起こしたから、プレーをやめる必要があった。ボールが大きく異なっていることは明らかであり、使用球の継続的な変化は影響を及ぼしていると思う」
「先週はあるブランドのボールでプレーし、今週は別のブランドになる。チャレンジャーでは、より頻繁に使用球が変更されるため、さらに状況は悪化しやすいが、ATPツアーでも頻繁にボールが変わっている。2つの連続したトーナメントで実質的に同じタイプのボールでプレーすることはない。同様に(年初の)オーストラリアシリーズまたはクレーシーズンでも、ボールのブランドを変更している。それがさらなるケガを引き起こしている」
実のところ今年に入ってからカレノブスタをはじめ、数多くの選手がヒジや肩のケガに苦しんでいる。大会使用球の頻繁な変更が故障の引き金となっているのであれば、テニス団体で早急に対応策を検討すべきだろう。
文●中村光佑
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