海外テニス

元王者コナーズが若き才能アルカラスに忠告!「ジョコビッチ以外の選手の存在を無視してはいけない」<SMASH>

中村光佑

2023.10.12

絶対王者ジョコビッチの存在を過剰に意識しているアルカラス(左)に対して、元世界王者コナーズ氏(右)が忠告した。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランク1位のジミー・コナーズ氏(アメリカ/71歳)が、自身が運営するポッドキャスト『Advantage Connors』に出演。20歳にしてすさまじい活躍を見せ続けるカルロス・アルカラス(スペイン/世界ランキング2位)に向け、「どんなプレーヤーと戦う時でもしっかりと準備をすべきだ」と忠告した。

 すでに四大大会2勝を含め通算12度のツアータイトルを獲得しているアルカラスについて、元世界王者のコナーズ氏は「彼のコート上での振る舞いやオフコートでの言動、さらにはテニスに全てを捧げる姿が好きだ」と言う。

 だが、コナーズ氏はアルカラスが先日テニスストリーミングサイト『Tennis TV』のインタビューで"世代を超えたライバル"と称されるノバク・ジョコビッチ(セルビア/現1位/36歳)の存在を「練習中から常に意識している」と語ったことについては少々疑問を持ったと明かす。

「彼が言ったことについて最初に思ったのは、アルカラスがノバク(ジョコビッチ)にとっては少々厄介な存在だったとはいえ、実際に彼はノバクにウインブルドン決勝で勝ったわけだから、それについては理解できる。でもそういうふうに言う時は気を付けなければならない。なぜならそれは1人の選手だけに焦点を絞って準備しているとも考えられるからだ。"ある一人の強い選手に勝つために十分なプレーをしていれば、他の人にも勝つことができるだろう"と思うのはわかるが、実際にはそうではない」

 そのうえでコナーズ氏は「他のトッププレーヤーの存在を無視してはならない」として次のように自身の考えを口にした。
 
「すでに見てきたように、他の選手は異なるプレースタイルを持っている。例えばシナー(イタリア/4位)のプレースタイルはジョコビッチやアルカラス、メドベージェフ(ロシア/3位)とは異なる。短めのショットを活用する選手もいるし、メドベージェフのようにベースラインから6フィートから8フィート(約2メートル)、あるいは10フィート(約3メートル)後方でプレーしたり、コートの後ろからウィナーを打てたりする選手だっている。

 全ての選手に対して準備をしておく必要がある。仮に私がまだ現役でプレーしているとすれば、誰とでも戦えるように優れた選手でなければならないと考えるだろうから、プレーの改善に取り組み続けるだろう。アルカラスにはジョコビッチだけではなく、シナーやメドベージェフ、他にも少しではあるが強敵は存在する」

 おそらくコナーズ氏はアルカラスに期待しているからこそ「気を引き締めてほしい」という思いがあるのかもしれない。日々真摯にテニスと向き合っているアルカラスならコナーズ氏の言葉をしっかりと体現してくれるはずだ。若きスーパーヒーローのさらなる活躍を期待したい。

文●中村光佑

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