現在開催中の男子テニスツアー「ロレックス上海マスターズ」(10月4日~15日/中国・上海/ハードコート/ATP1000)でシングルスベスト4に進出した世界ランク26位のセバスチャン・コルダ(アメリカ)が、準々決勝勝利後の記者会見に登場。その中で手首のケガからの復帰ロードを振り返った。
攻撃的なテニスを武器に躍進していた23歳のコルダを悲劇が襲ったのは、今年1月の全豪オープンでのことだった。3回戦でダニール・メドベージェフ(ロシア/現3位)をストレートで破るなどし、自身初の四大大会8強に進出したコルダだったが、カレン・ハチャノフ(ロシア/現14位)との準々決勝では右手首の強い痛みを訴え途中棄権。それから約3カ月間ツアー離脱を余儀なくされたコルダは、4月末のマドリード・オープン(ATP1000)で実戦に復帰して以降も調子が安定せず、もどかしい日々を送っていた。
それでもアジアシリーズに突入してからは明るい光が見え始めている。先月末の珠海選手権(ATP250)でベスト4入りすると、翌週のアスタナ・オープン(ATP250)でも見事準優勝。勢いそのままに今週の上海でも初戦から素晴らしい勝ち上がりを見せており、12日の準々決勝では同郷のベン・シェルトン(20位)を6-7(10)、6-2、7-6(6)の逆転で下し、キャリア初のマスターズ4強入りを決めた。準決勝では第16シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/17位)と対戦する。
準々決勝後の会見では「間違いなく本当に良い瞬間だった」と勝利の喜びを素直に表現したコルダ。だが本来のプレーを取り戻すまでの道のりは「簡単ではなかった」と明かす。「実は1年前のちょうどこの時期から手首に痛みがあった」という23歳の若獅子は苦しかった日々を次のように回顧した。
「手首の痛みと闘い始めた頃はまだ大丈夫だったが、全豪オープンの前のトレーニングセッションから徐々に悪化していった。5セットマッチやビッグサーバーとの試合など多くの試合をこなす中で、特にフォアハンドを軸にプレーを組み立てると、困難な状況に陥っていった。手首に強い痛みが走っていた」
「そこからが本当に長い旅だった。(全豪後)3カ月間欠場していたから、特に手首の状態を踏まえて、これまでやってきた自分のテニスを全て見直す必要があった。いつも練習ではフォアを打つたびに痛みがなくなることを祈っていたが、決してそうはならなかった。今もフォアに関してはまだ問題がある」
そんな中でここ数週間の結果に手応えを感じているというコルダは、ポジティブな言葉と共に会見を締めくくった。
「(得意の)フォアをしっかりと使えるようになる時期はこれからやってくると思う。試合も練習ももっとたくさんしなければいけないし、それがまた普通になることを願っている。今年はケガで多くの時間を失ったから、確かに最悪だったけど、今はまたハイレベルなテニスができる状態に戻り始めている。結果は後からついてくるだろう」
手首の故障は今後のキャリアを脅かしかねないだけに、恐怖心を抱くのも無理はない。コルダのケガがこれ以上悪化しないことを願うばかりだ。
文●中村光佑
【動画】コルダがシェルトンを下して4強入りを決めた上海マスターズ準々決勝ハイライト
【PHOTO】初のGS8強入りを果たしたコルダをはじめ、全豪オープン2023で熱戦を繰り広げた男子選手たちの厳選写真!
【関連記事】全豪準々決勝をケガで途中棄権したコルダ。「ほとんどラケットが握れなかった」と手首の状態を明かす<SMASH>
攻撃的なテニスを武器に躍進していた23歳のコルダを悲劇が襲ったのは、今年1月の全豪オープンでのことだった。3回戦でダニール・メドベージェフ(ロシア/現3位)をストレートで破るなどし、自身初の四大大会8強に進出したコルダだったが、カレン・ハチャノフ(ロシア/現14位)との準々決勝では右手首の強い痛みを訴え途中棄権。それから約3カ月間ツアー離脱を余儀なくされたコルダは、4月末のマドリード・オープン(ATP1000)で実戦に復帰して以降も調子が安定せず、もどかしい日々を送っていた。
それでもアジアシリーズに突入してからは明るい光が見え始めている。先月末の珠海選手権(ATP250)でベスト4入りすると、翌週のアスタナ・オープン(ATP250)でも見事準優勝。勢いそのままに今週の上海でも初戦から素晴らしい勝ち上がりを見せており、12日の準々決勝では同郷のベン・シェルトン(20位)を6-7(10)、6-2、7-6(6)の逆転で下し、キャリア初のマスターズ4強入りを決めた。準決勝では第16シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/17位)と対戦する。
準々決勝後の会見では「間違いなく本当に良い瞬間だった」と勝利の喜びを素直に表現したコルダ。だが本来のプレーを取り戻すまでの道のりは「簡単ではなかった」と明かす。「実は1年前のちょうどこの時期から手首に痛みがあった」という23歳の若獅子は苦しかった日々を次のように回顧した。
「手首の痛みと闘い始めた頃はまだ大丈夫だったが、全豪オープンの前のトレーニングセッションから徐々に悪化していった。5セットマッチやビッグサーバーとの試合など多くの試合をこなす中で、特にフォアハンドを軸にプレーを組み立てると、困難な状況に陥っていった。手首に強い痛みが走っていた」
「そこからが本当に長い旅だった。(全豪後)3カ月間欠場していたから、特に手首の状態を踏まえて、これまでやってきた自分のテニスを全て見直す必要があった。いつも練習ではフォアを打つたびに痛みがなくなることを祈っていたが、決してそうはならなかった。今もフォアに関してはまだ問題がある」
そんな中でここ数週間の結果に手応えを感じているというコルダは、ポジティブな言葉と共に会見を締めくくった。
「(得意の)フォアをしっかりと使えるようになる時期はこれからやってくると思う。試合も練習ももっとたくさんしなければいけないし、それがまた普通になることを願っている。今年はケガで多くの時間を失ったから、確かに最悪だったけど、今はまたハイレベルなテニスができる状態に戻り始めている。結果は後からついてくるだろう」
手首の故障は今後のキャリアを脅かしかねないだけに、恐怖心を抱くのも無理はない。コルダのケガがこれ以上悪化しないことを願うばかりだ。
文●中村光佑
【動画】コルダがシェルトンを下して4強入りを決めた上海マスターズ準々決勝ハイライト
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