184センチの長身を生かした力強いテニスで素晴らしい活躍を続けている女子テニス世界ランク5位のエレーナ・ルバキナ(カザフスタン/24歳)。今季は1月の全豪オープンで準優勝すると、四大大会に次ぐWTA1000大会でも2勝を挙げ、現在はトップ5プレーヤーとして確固たる地位を築いている。
ルバキナの名が知れ渡ったのは昨年7月のウインブルドンがきっかけだった。当時世界23位で第17シードとして出場したルバキナは、19年全米オープン覇者のビアンカ・アンドレスク(カナダ/現78位)や、元世界1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア)らを破る怒涛の快進撃を見せて決勝に進出。決勝では第3シードのオンス・ジャバー(チュニジア/大会時2位/現7位)を逆転で破り、悲願の四大大会初優勝を成し遂げた。
ただし、昨年のウインブルドンはロシアのウクライナ侵攻を理由にロシア・ベラルーシ人選手の出場を禁じた大会側に対する制裁の一環として、ATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)がランキングポイントの付与を停止したため、ルバキナは優勝の2000ポイントを獲得できず…。キャリア初のトップ10入りも先送りになるという異例の事態に見舞われた。
先日オーストリアの大手飲料メーカー「レッドブル」が運営するポッドキャストに登場したルバキナは、そのウインブルドン優勝後の心境をこう回顧した。
「あの時の優勝を乗り越えるのは簡単ではなかった。あのような(輝かしい)タイトルを獲得した後、自分でもショックを受け、『これが運や何かの間違いで起こったものでなければいいけど…』と考えるのは当然のことです」
またポイント付与停止の影響で、自身がトップ選手として扱われないことにも複雑な思いを抱いていたと明かした。
「私の場合、ポイントを獲得できなかったのは少々事情が異なっていたけど、残りのトーナメントともう1つの四大大会(全米)では、自分がトッププレーヤーであるとは感じなかった。多くの期待が寄せられ、多くの人が次のトーナメントでどんな活躍を見せるかを楽しみに注目している中、ポイントを得られなかったことでトップ選手として扱われることはなかった。だから当時は確かに簡単な時期ではなかったと言える」
普段はめったに感情をあらわにすることがないルバキナ。そんな彼女が口にした知られざる苦悩は、どこか重みがある。苦しかった日々を乗り越えた経験を自信に変え、今後のさらなる飛躍につなげていってほしい。
文●中村光佑
【PHOTO】優勝はルバキナ! ウインブルドン2022で活躍した女子選手たちの厳選写真!
【PHOTO】ルバキナはじめ、全仏オープン2023で奮闘する女子選手たちの厳選写真!
【PHOTO】なかなか見られないトッププロの練習やテニス教室の様子
ルバキナの名が知れ渡ったのは昨年7月のウインブルドンがきっかけだった。当時世界23位で第17シードとして出場したルバキナは、19年全米オープン覇者のビアンカ・アンドレスク(カナダ/現78位)や、元世界1位のシモナ・ハレップ(ルーマニア)らを破る怒涛の快進撃を見せて決勝に進出。決勝では第3シードのオンス・ジャバー(チュニジア/大会時2位/現7位)を逆転で破り、悲願の四大大会初優勝を成し遂げた。
ただし、昨年のウインブルドンはロシアのウクライナ侵攻を理由にロシア・ベラルーシ人選手の出場を禁じた大会側に対する制裁の一環として、ATP(男子プロテニス協会)とWTA(女子テニス協会)がランキングポイントの付与を停止したため、ルバキナは優勝の2000ポイントを獲得できず…。キャリア初のトップ10入りも先送りになるという異例の事態に見舞われた。
先日オーストリアの大手飲料メーカー「レッドブル」が運営するポッドキャストに登場したルバキナは、そのウインブルドン優勝後の心境をこう回顧した。
「あの時の優勝を乗り越えるのは簡単ではなかった。あのような(輝かしい)タイトルを獲得した後、自分でもショックを受け、『これが運や何かの間違いで起こったものでなければいいけど…』と考えるのは当然のことです」
またポイント付与停止の影響で、自身がトップ選手として扱われないことにも複雑な思いを抱いていたと明かした。
「私の場合、ポイントを獲得できなかったのは少々事情が異なっていたけど、残りのトーナメントともう1つの四大大会(全米)では、自分がトッププレーヤーであるとは感じなかった。多くの期待が寄せられ、多くの人が次のトーナメントでどんな活躍を見せるかを楽しみに注目している中、ポイントを得られなかったことでトップ選手として扱われることはなかった。だから当時は確かに簡単な時期ではなかったと言える」
普段はめったに感情をあらわにすることがないルバキナ。そんな彼女が口にした知られざる苦悩は、どこか重みがある。苦しかった日々を乗り越えた経験を自信に変え、今後のさらなる飛躍につなげていってほしい。
文●中村光佑
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