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「プレッシャーをかける必要はない!」加熱する“ナダル復帰予想”にスペインの名手コレッチャが苦言!<SMASH>

中村光佑

2023.10.20

ナダル(左)の早期復活はファンにとってもうれしい限りだが、憶測による報道はつつしむべきと同郷の名手コレッチャ(右)は考えている。(C)Getty Images

 男子テニス元世界ランク2位のアレックス・コレチャ氏(スペイン/49歳)が欧米スポーツメディア『Eurosport』のインタビューに登場。現在ケガで戦列を離れている同郷のラファエル・ナダル(元1位/現243位)が来年1月に開かれる四大大会「全豪オープン」(1月14日~28日/オーストラリア・メルボルン/ハードコート)で復帰するのではないかと報じられたことについて言及し、「ラファ(ナダル)に関する報道は慎重を期す必要がある」と苦言を呈した。

 現在37歳のナダルは今年1月の全豪で左股関節を負傷して以降大会には出場しておらず、5月には度重なる故障に悩まされていることを理由に来シーズン限りでの現役引退を示唆。一方で今年中のツアー復帰にも意欲を示しており、つい最近まではデビスカップ(国別対抗戦)でのカムバックを想定していた。その後、スペインがグループステージで敗退したため参戦の可能性は消滅したが、この先も現役でプレーし続けることを諦めていない様子もうかがえる。実のところ、8月末にはコート練習を再開したことも伝えられていた。

 そうした中で全豪のトーナメントディレクターを務めるクレイグ・タイリー氏は、先週オーストラリアの朝の情報番組『The Today Show』の取材で「ラファは来年の大会に戻ってくる」と発言。だがイギリスメディア『Times Sport』でテニス特派員を務めるスチュアート・フレイザー氏によればナダル側はその事実を否定しており、ナダル本人も10月11日に更新した自身の公式X(旧ツイッター/@RafaelNadal)で「できるだけ早くツアーに戻ってくるために、毎日一生懸命トレーニングしています」と述べるにとどめていた。
 
 一連の報道を受け、コレチャ氏は今回のインタビューで以下のように所感を述べた。

「しばらくツアーでプレーしていないから、復帰時期を明らかにするのはラファ本人だと思っていたが、(タイリー氏の)全豪出場の発表は結果的に誰にとっても残念なものになってしまった。最初は、もしかしたら2人だけの間で話し合って計画したことなのかもしれないと思ったが、ラファの(SNSでの)発言を受けて、彼に関する報道には細心の注意を払う必要があると感じたよ」

「全豪開幕までは3カ月ほどあり、多くのことが起こる可能性があるが、今はそこに出場することを確定して自分にプレッシャーをかける必要はないと思う。セット練習やフィジカル面でのさらなる準備をした後で、身体がどのように感じるかはまだわからないだろう。(例えばの話だが)1日3時間続けてプレーした後の彼の身体の状態はどんな感じなのだろうか?」

 とはいえコレチャ氏は長きにわたって第一線で活躍してきた鉄人の1日も早いカムバックを期待していると語る。

「彼がすぐに復帰を表明してくれることを願っているが、少なくとも12月中旬までは戻ってこないと思う」としつつも、「おそらくそれくらいの時期に、我々は彼がオーストラリアでシーズンをスタートする準備ができているかどうかを知ることができるかもしれない。もちろん彼がより早く復帰してくれればそれはそれで素晴らしいものになるだろう。ラファの復活を心から待っている」と締めくくった。

 おそらくテニスファンもコレチャ氏と同じ思いを抱いているはずだ。たとえ時間がかかってもナダルが元気にツアーに戻ってくる日を心待ちにしたい。

文●中村光佑

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