現在開催中の男子テニスツアー「エルステ・バンク・オープン」(10月23日~29日/オーストリア・ウィーン/インドアハードコート/ATP500)で2回戦進出を決めている元世界ランク2位のアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/現10位)が,大会開幕前の記者会見で、大きなケガによる挫折が、テニスへの愛情を再確認させてくれたと感謝の言葉を口にした。
昨年6月の全仏オープンで赤土の王者ラファエル・ナダル(スペイン/現242位)と対戦した際に右足首の大ケガを負ったズベレフは、同箇所の手術と懸命なリハビリを経て、12月に中東サウジアラビアのエキジビションマッチで実戦に復帰。だがカムバックを遂げて以降は以前の強さを取り戻せずにもがき苦しんできた。
そんな中でも地道に努力を重ねてきた26歳は、ここ最近になってようやく本来のプレーを取り戻し始めている。7月に母国で出場した「ハンブルク・ヨーロピアン・オープン」(ドイツ・ハンブルク/クレーコート/ATP500)では初戦から1セットも落とさずに節目のツアー20勝を達成。シーズン最後の四大大会「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)ではベスト8に入ると、先月下旬の「成都オープン」(中国・成都/ハードコート/ATP250)では今季2勝目を飾り、約1年ぶりのトップ10復帰も果たした。
復帰ロードを歩む中で多くのことを学んだというズベレフ。中でも約半年間もプレーできなかったことが「テニスに対する感謝の気持ちを芽生えさせた」とし、次のように語った。
「僕が負った大きなケガは人を成熟させ、自分のやっていることに心から感謝するようになる。たとえ悪い日があったとしても、その過程全体を楽しむことができれば、プロ選手としてこのスポーツ(テニス)に専念できたことに感謝することもできるとわかった。多くのテニス選手は、プレーができなくなる瞬間が来るまで、自分がどれほどテニスを愛しているのか、まだ気付いていないと思う。
それでも彼ら(選手たち)は、プレーができなくなる時が来るまでは、テニスを愛しているものだ。僕にとっては幸運なことに、ケガが(比較的キャリアの)早い時期に起こったから、自分にとってこのスポーツがどういう存在なのか、そして僕がどれだけテニスを愛しているのかを十分に理解することができた。もちろん、僕は(これ以上)ケガをしたくないとは思っているけどね」
復帰直後は勝ちに恵まれない時期が続き、改めて「テニスで競争力を保つためには、100パーセント健康である必要があり、高いレベルを保つには痛みから解放される必要がある」ことも学んだと述べたズベレフは、質の高いプレーができている現状に手応えを感じているとコメント。11月に開かれるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」(11月12日~19日/イタリア・トリノ/インドアハードコート)の出場権獲得に向けた意気込みも示した。
「僕は良いテニスをしていて、大会で優勝することもできた。僕は再びトッププレーヤーの集団に食い込むことができると感じていて、そのために必要なメンタリティを取り戻した。今年の初めにはそんな風には考えていなかったが、今は自信がある。もし最終戦に出られたらそれは素晴らしい成果だ」
先週の「木下グループジャパンオープンテニス」(東京・有明/ATP500)ではまさかの初戦敗退を喫したズベレフ。ファイナルズ出場を手繰り寄せるべく、今週のウィーン大会では何としても結果を残したいところだ。
文●中村光佑
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昨年6月の全仏オープンで赤土の王者ラファエル・ナダル(スペイン/現242位)と対戦した際に右足首の大ケガを負ったズベレフは、同箇所の手術と懸命なリハビリを経て、12月に中東サウジアラビアのエキジビションマッチで実戦に復帰。だがカムバックを遂げて以降は以前の強さを取り戻せずにもがき苦しんできた。
そんな中でも地道に努力を重ねてきた26歳は、ここ最近になってようやく本来のプレーを取り戻し始めている。7月に母国で出場した「ハンブルク・ヨーロピアン・オープン」(ドイツ・ハンブルク/クレーコート/ATP500)では初戦から1セットも落とさずに節目のツアー20勝を達成。シーズン最後の四大大会「全米オープン」(アメリカ・ニューヨーク/ハードコート)ではベスト8に入ると、先月下旬の「成都オープン」(中国・成都/ハードコート/ATP250)では今季2勝目を飾り、約1年ぶりのトップ10復帰も果たした。
復帰ロードを歩む中で多くのことを学んだというズベレフ。中でも約半年間もプレーできなかったことが「テニスに対する感謝の気持ちを芽生えさせた」とし、次のように語った。
「僕が負った大きなケガは人を成熟させ、自分のやっていることに心から感謝するようになる。たとえ悪い日があったとしても、その過程全体を楽しむことができれば、プロ選手としてこのスポーツ(テニス)に専念できたことに感謝することもできるとわかった。多くのテニス選手は、プレーができなくなる瞬間が来るまで、自分がどれほどテニスを愛しているのか、まだ気付いていないと思う。
それでも彼ら(選手たち)は、プレーができなくなる時が来るまでは、テニスを愛しているものだ。僕にとっては幸運なことに、ケガが(比較的キャリアの)早い時期に起こったから、自分にとってこのスポーツがどういう存在なのか、そして僕がどれだけテニスを愛しているのかを十分に理解することができた。もちろん、僕は(これ以上)ケガをしたくないとは思っているけどね」
復帰直後は勝ちに恵まれない時期が続き、改めて「テニスで競争力を保つためには、100パーセント健康である必要があり、高いレベルを保つには痛みから解放される必要がある」ことも学んだと述べたズベレフは、質の高いプレーができている現状に手応えを感じているとコメント。11月に開かれるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」(11月12日~19日/イタリア・トリノ/インドアハードコート)の出場権獲得に向けた意気込みも示した。
「僕は良いテニスをしていて、大会で優勝することもできた。僕は再びトッププレーヤーの集団に食い込むことができると感じていて、そのために必要なメンタリティを取り戻した。今年の初めにはそんな風には考えていなかったが、今は自信がある。もし最終戦に出られたらそれは素晴らしい成果だ」
先週の「木下グループジャパンオープンテニス」(東京・有明/ATP500)ではまさかの初戦敗退を喫したズベレフ。ファイナルズ出場を手繰り寄せるべく、今週のウィーン大会では何としても結果を残したいところだ。
文●中村光佑
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