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【全日本テニス4日目女子】第1シードの加治遥が初優勝に向け快勝スタート。昨年準優勝の小堀桃子も順当勝ち<SMASH>

渡辺隆康(スマッシュ編集部)

2023.10.31

共に初優勝を狙う第1シードの加治遥(左)と第4シードの小堀桃子(右)がストレート勝ち。「シードは数字でしかない。気にしない」と加治。写真:滝川敏之

 テニスの日本チャンピオンを決める「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」(10月28日~11月5日/東京・有明/ハードコート)は10月31日に第4日を迎え、男女シングルス2回戦の残りなどが行なわれた。

 女子では第1シードの加治遥が登場し、予選勝ち上がりの中島美夢と対戦。近年、フォアハンドをはじめショットの強化を図ってきた加治が球威で中島を押し込み、6-3、6-0で快勝した。

 今年、世界ランキングを自己最高の213位まで上げ、先の全米オープンでは自身初の四大大会予選出場を果たした29歳の加治。コツコツと生み上げてきた努力が実り、今大会は第1シードの地位を手にした。しかし「シードは数字でしかない。気にせずに、目の前の試合を頑張ろうと思う」と気負いはない。

 ただ、全日本には特別な思いを持っている。同レベルの選手の多くが全日本をスキップする中で、加治は今年で11年連続の出場。「やはり日本の一番大きな大会で、タイトルには大きな意味がある。何度も出ているがベスト4が最高なので、しっかり取り切りたい」と語る。「全日本優勝はテニス人生において大きな意味を持つと思っている」という加治が、初の栄冠を手にできるか、今後の戦いぶりに注目しよう。
 
 昨年の準優勝者で第4シードの小堀桃子も初戦を迎え、西郷幸奈に6-1、7-5で勝利した。第1セットを簡単に取った後、「第2セットは立ち上がりで集中が切れてゲームを落とし、プレッシャーがかかった」と後手に回ったが、落ち着いて追い上げ、ストレートで振り切った。

 前回は優勝まであと一歩に迫った小堀だが、タイトルへの意識は「ない」と断言する。「去年はどうせ無理だと思ってやっていたら(決勝まで)うまく行けた。今回もタイトルにこだわらず、普段と変わらないようにやりたい」と自然体で臨む心づもりだ。

 その他の注目カードでは、17歳の高校2年生、西村佳世が第7シードの清水映里に挑戦。清水の強打をよく凌いで粘ったが、1-6、5-7で敗れた。また、早大を卒業してプロ1年目の吉岡希紗が、2015年の全日本女王で大学の大先輩でもある桑田寛子にフルセットで勝利。予選勝ち上がりの早大2年、宮田萌芳は、第5シードの松田美咲を逆転で下す番狂わせを演じている。

◆女子シングルス2回戦の結果(10月31日)
○小堀桃子(橋本総業ホールディングス)[4] 6-1 7-5 西郷幸奈(フリー)●
○瀬間詠里花(橋本総業)[9] 6-3 6-0 金子さら紗(早稲田大学)[WC] ●
○輿石亜佑美(フリー)[11] 6-3 6-2 川岸七菜(アカラクリニック)●
○清水映里(東通産業)[7] 6-1 7-5 西村佳世(Ai Love All Tennis Academy 香枦園)●
○加治遥(島津製作所)[1] 6-3 6-0 中島美夢(フリー)[Q] ●
○吉岡希紗(フリー)[Q] 6-7(5) 7-5 6-3 桑田寛子(島津製作所)[15] ●
○相川真侑花(テニスユナイテッド)[16] 6-2 6-1 上田らむ(ノア・インドアステージ)●
○宮田萌芳(早稲田大学)[Q] 4-6 6-4  6-4 松田美咲(橋本総業)[5] ●

※[ ]内の数字はシード順位、[Q]は予選勝者、[WC]はワイルドカード

取材・文●渡辺隆康(スマッシュ編集部)

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