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全日本テニス選手権、女子は加治遥と西郷里奈が逆転勝利で決勝進出!男子は徳田廉大が4強入り<SMASH>

前道右京(スマッシュ編集部)

2023.11.04

第1シードの加治(左)と第2シードの西郷(右)は、2時間超えの熱戦を制し決勝の舞台へ。写真:田中研治(THE DIGEST写真部)

 テニスの日本チャンピオンを決める「三菱電機ビルソリューションズ 全日本テニス選手権98th」(10月28日~11月5日/東京・有明/ハードコート)は11月3日に第7日を迎え、女子シングルス準決勝2試合と男子シングルス準々決勝2試合などが行なわれた。

 女子準決勝は、まず第2シードの西郷里奈がセンターコートに登場。第3シードの伊藤あおいに4-6、6-3、6-3の逆転勝利を収め、初の決勝進出を果たした。

「すごく厳しい試合になるとわかっていた」と試合前の心境を語った西郷は、伊藤のスライスやムーンボールに苦戦する。「伊藤選手は自分の予想を超えるようなプレーも多くしてきて、気持ち的に難しい場面がたくさんあった」。持ち前のアグレッシブなテニスを披露するも、第8ゲームでブレークを許し第1セットを4-6で落とす。

 第2セットに入り、耐えてラリーをしたという西郷。「厳しいコースを狙いすぎず、内側で勝負するパターンを増やした」ことで、伊藤のトリッキーなプレーに対応し始める。正確なショットでポイントを積み重ねていくと、第2、5ゲームをブレークし、6-3でセットカウントをイーブンとする。

 さらに、「気持ちの面と体力の面では負けない自信はあったので、そこは貫こうと思った」という西郷は、第3セット序盤、鋭いリターンから攻めてポイントを量産。第2、6ゲームでブレークに成功し、一気に5-1とリードを広げる。第7ゲームでは4本のダブルフォールトを犯しブレークを1つ返されるも、第9ゲームではしっかりサービスをキープ。2時間13分の接戦をものにし、決勝へ駒を進めた。
 
 もう一方の準決勝は、第1シードの加治遥が第7シードの清水映里と対戦。4-6、6-4、6-1の逆転で勝利をつかみ、初の決勝進出を決めた。

 1セットも落とすことなく勝ち上がってきた両者は、序盤から激しいストローク戦を繰り広げる。「自分の球も浅くて、先に展開されたパターンがすごく多かった」という加治は清水のパワフルなスピンに押され、第6ゲームでブレークを献上。第9ゲームでブレークを1つ返すも、直後の第10ゲームで再びブレークを許し、4-6でセットを先取される。

 第2セットは、「劣勢ではあったけど、落ちついてもう一回自分のやるべきことをやる」という気持ちで臨んだ加治。「しっかり自分が深く打って、前に入れるところは入ろうと思ってプレーした」との言葉通り、鋭いショットが冴えボレーで決める展開を作ると、1ブレークのリードを守り切ってセットオールとする。

 勝負のファイナルセットでは、加治が持ち前の力強いプレーを遺憾なく披露。「サービスから自分の展開を作ることを意識した」という加治は、終始主導権を握り、第3ゲームから5ゲームを連取。最後はチャンスボールをクロスに叩き込み、2時間9分に及ぶ熱戦に終止符を打った。

 清水を下した加治は、「やることはこれまでとは変わらずに、毎ポイントしっかりファイトして、自分のやるべきことにフォーカスしてできるように頑張りたい」と決勝戦に目を向けた。
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