今年１月の全豪オープン（オーストラリア・メルボルン）で左股関節を負傷し、現在も戦列を離れている男子テニス元世界ランク１位のラファエル・ナダル（スペイン／現244位）。５月には度重なるケガを理由に来シーズン限りでの引退を示唆した一方、まだ現役でプレーし続ける意欲も見せており、現在は復帰に向けてコート練習やジムでの懸命なトレーニングに励んでいる。

　そんな中でこのほどスペインのテニス専門メディア『Punto de Break』を通じて、ナダルに関する最新情報が入ってきた。同メディアは現地11月９日にテニスの名場面や最新情報を紹介する公式Xアカウント「olly」（@Olly_Tennis）が投稿した１本の練習動画を引用し、「ナダルのケガからの回復が正しい軌道に乗っているのは明らかだ」と報道した。
  　映像にはケガに苦しんできたレジェンドが、あのうめき声を上げながらラケットを鋭く振り抜く姿が収められており、以前よりもヒッティングの強度を高めていることが確認できる。股関節の痛みの影響はさほど感じられず、待望のカムバックを遂げる日も近いかもしれない。

　とはいえナダル自身は「復帰時期は慎重に見極めたい」と常々語っており、先月下旬には地元メディアの取材で「僕の最優先事項は（来年１月の）オーストラリアシーズンでツアーに戻ることだが、はっきりしたことはまだ何も言えない」と現況を報告。「今は未知の領域にいる」と、苦悩を抱え続けていることも明かしていた。

　37歳という年齢を考慮すればプレー再開に慎重になってしまうのも無理はない。かつてない苦境に立たされているナダルが復帰の意志を示してくれているだけでもファンにとっては喜ばしいことである。ケガの再発には十分注意しながら調整を進めていってほしい。

文●中村光佑

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