男子テニスシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」（11月12日～19日／イタリア・トリノ／インドアハードコート／FIN）のラウンドロビン（予選）初戦で敗れた世界ランク６位のステファノス・チチパス（ギリシャ）が試合後の記者会見に登場。大会開幕前の段階で自身が何らかのケガを抱えているのではないかと報じられたことについて言及し、「何も問題はない」と噂を否定した。

　イタリアのスポーツメディア『OA sport』によると、チチパスは現地10日に行なったアレクサンダー・ズベレフ（ドイツ／８位）とのセット練習を予定時間よりも早めに終了。同メディアは21年11月に手術を受けた右ヒジまたは背中を故障したのではないかと伝えていたが、詳細についてチチパス側は特にコメントを出していなかった。

　状態が不安視された中、チチパスは現地12日のラウンドロビン初戦で同じグリーングループのヤニック・シナー（イタリア／４位）と対戦。ツアーで過去５勝２敗と勝ち越しているシナーを相手に計17本のミスを犯すなど精彩を欠き、第１、２セットで１度ずつブレークを献上。反対に自身は試合を通して１度もブレークポイントを握れず、4-6、4-6のストレートで敗れた。
  　本来のプレーを発揮できなかったチチパスだが、肝心のフィジカルの問題については特に心配はないと明かす。試合後の会見である記者から「ヒジか背中に痛みを抱えているのか？」と問われた25歳の若獅子は、次のようにきっぱりと答えた。

「僕は全く大丈夫だし、このトーナメントに出場する準備はできている。トリノは自分にとって今年最も重要なイベントの１つだ。僕は健康だし、戦う準備はできている」

　その上でチチパスはグループリーグ突破に向け、次のように意気込みを口にした。

「ラウンドロビンはあと２試合残っている。ベストを尽くせること、そして（大会の）最後の日までここにいられることを願っている。それこそがファイナルズの素晴らしい点だ。大会が完全に終了するまでは終わりではない。いつでもリカバリーできる（チャンスがある）から、これは良いフォーマットだと思う」

　ひとまずは本人の口から告げられた「大丈夫」という言葉を信じたい。現地14日にはホルガー・ルネ（デンマーク／10位）とのラウンドロビン第２戦に臨むチチパス。19年大会以来４年ぶりのファイナルズ制覇へ挽回を期待しよう。

文●中村光佑

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