ケガで戦線離脱中の元世界ランキング13位のニック・キリオス（オーストラリア）が、現在開催されている男子テニスのシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」（11月12日～19日／イタリア・トリノ／インドアハード／FIN）のコメンテーターとして、米テニス専門チャンネル『Tennis Channel』に出演。番組内の中で、ケガからの復活を遂げたアレクサンダー・ズベレフ（世界ランク７位）を称賛した。

　昨年10月の「ジャパン・オープン」（日本・東京／ATP500）の準々決勝を棄権して以降、ケガに悩まされ、ツアーを離脱していたキリオス。今年６月の「ボス・オープン」（ドイツ・シュツットガルト／ATP250）で復帰を果たすも、ケガが完治せず再び戦線を離脱し、先月中旬には世界ランキングも消滅してしまった。

　また、ATPファイナルズへの出場しているズベレフも、キリオスと同じようにケガに悩まされていた時期があった。昨年６月の全仏オープン準決勝で右足首を負傷し、約半年間ツアーを離脱。懸命なリハビリを経て、12月に実戦に復帰を果たすも、カムバックを遂げて以降は苦戦の日々を過ごし、今年５月には27位までランキングを落としていた。
  　しかし徐々に本来のプレーを取り戻し始め、シーズン後半には「ハンブルク・ヨーロピアン・オープン」（ドイツ・ハンブルク／ATP500）と「成都オープン」（中国・成都／ATP250）でタイトルを獲得し、全米オープンではベスト８に進出。この活躍により、ズベレフは７位まで順位を上げ、ATPファイナルズへの出場権を獲得した。

　ズベレフとは過去７度対戦し、４勝３敗と勝ち越しているキリオスは、ズベレフのカムバックを称賛し、次のように復活を果たすことを望んだ。

「彼は信じられないほどのハードワーカーだ。それが強みなんだ。彼は（ツアーで活躍するための）全ての条件を満たしている。あのようなケガから復帰できるのであれば、僕はそこからインスピレーションを得なければならないと思う」

　そして、再びツアーで戦うことを熱望しているキリオスは、「またツアーに戻りたいという気持ちが強いんだ。だから、できることは全てやっているよ。リハビリをしたり、ジムでトレーニングしたりね」と今後に向けて意気込みを語った。

　豪メディア『Nine.com』のインタビューでは、「引退前にグランドスラムで優勝したい」と目標を掲げていたキリオス。まずは１日も早くケガが改善し、また観客を沸かせるプレーで、活躍する姿を見られることに期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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