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海外テニス

“悪い人”とレッテルを貼られているサバレンカに世界女王シフィオンテクが異議!「私たちはただ違う人間というだけのこと」<SMASH>

中村光佑

2023.11.28

女子テニス界のツートップとして君臨するシフィオンテク(右)とサバレンカ(左)。シフィオンテクは、政治的な理由やキャラクターの違いでサバレンカを批判する風潮に対して異議を唱えた。(C)Getty Images

女子テニス界のツートップとして君臨するシフィオンテク(右)とサバレンカ(左)。シフィオンテクは、政治的な理由やキャラクターの違いでサバレンカを批判する風潮に対して異議を唱えた。(C)Getty Images

 女子テニス世界ランク1位のイガ・シフィオンテク(ポーランド)が母国メディア『Rzeczpospolita』のインタビューに登場。そのなかで自身の最大のライバルとも称される世界2位のアリーナ・サバレンカ(ベラルーシ)を「悪い人」とみなす風潮に対し、「そういう意見には加担したくない」と異議を唱えた。

 女子テニスのツートップとして君臨する両者のライバル関係は年々激化しており、特に今季後半の1位争いは熾烈なものとなった。

 ディフェンディングチャンピオンとして出場した9月の全米オープンで4回戦敗退を喫したことでサバレンカに女王の座を明け渡したシフィオンテクだったが、以降は怒涛の巻き返しを披露。10月初めには四大大会に次ぐグレードの「中国オープン」(中国・北京/ハードコート/WTA1000)を制すと、今月初旬のシーズン最終戦「WTAファイナルズ」(メキシコ・カンクン/ハードコート)でも準決勝でのサバレンカとの直接対決を含め全勝で優勝。土壇場で首位を奪還し、大逆転で2年連続の年間1位を手にした。

 シフィオンテクは自身が過去9度対戦して6勝3敗と勝ち越しているサバレンカが周囲から「悪い人間」とレッテルを貼られ、反対に自身が「良い人間」のように見られている印象があると語る。このような両者への評価の違いは昨年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻をサバレンカの母国であるベラルーシが支援していることも関係しているようで、シフィオンテクによれば、とりわけウクライナと国境を接するポーランドの人々はサバレンカを「あまり好きではないように感じる」という。
 
 だがシフィオンテクはサバレンカが良く思われていないのは「単純にキャラクターが正反対でそれがぶつかり合っているだけ」にすぎないと分析。「確かにコントラストは表れていると思う。それでも私が良いキャラクターを備えていて、彼女が悪いキャラクターを持っているとは言わない。そういうのは彼女をネガティブな見方で傷付けてしまうことになる」とサバレンカを気遣う言葉を続けた。

 そしてシフィオンテクは改めて「私たちはただ違う人間というだけのこと。私は彼女を批判する人の1人にはなりたくないし、誰かに対する憎悪にも加担したくない」と強調。サバレンカとの関係性については「私たちはお互いに大きな敬意を持っているし、思いやりを持って接している」と語った。

 おそらくシフィオンテクは共に女子ツアーを牽引するサバレンカが悪く言われてしまっていることに複雑な思いを抱いていたのだろう。今回のインタビューではシフィオンテクの心優しさとサバレンカとの良きライバル関係が垣間見えた。

文●中村光佑

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