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【伊達公子】10代で女子テニス界トップ100に入る選手を輩出するには仕組みが必要<SMASH>

伊達公子

2023.12.29

ココ・ガウフの活躍が「この年代の選手にとって大きな刺激になった」と言う伊達公子さん。写真:THE DIGEST写真部

 2023年ももうすぐ終わりです。皆さんにとって、どんな年だったでしょうか。女子テニス界ではシフィオンテクとサバレンカがトップ争いを繰り広げました。そんな中で、10代の選手が活躍する準備を着実に整えているようです。

 現在、WTAランキング200位以内に10代選手は16人、100位以内に6人います。ジュニア年代の18歳以下では200位以内に9名。多いのは、チェコ、ロシア、アメリカです。

 若手トップは19歳で世界ランキング3位のココ・ガウフ(アメリカ)。15歳でウインブルドンの予選を突破し、1回戦でビーナス・ウィリアムズに勝利して4回戦に進出した快進撃は、この年代の選手にとって大きな刺激となったことでしょう。しかし、それだけでこの年代が順調に成長できるわけではありません。

 チェコやロシアは途切れることなく若手が育ってきています。ジュニアから一般に移行する仕組みや仕掛け方がうまいのか、移行に対する意識が高くなるように情報をきちんと共有できているのか。ジュニアの早い段階で、結果を残さないといけないというプレッシャーではなく、それをモチベーションにできる導き方がうまいのではないかと考えています。
 
 数年前から「来そうだ」と言われていた選手たちが、期待通りにランキングを上げてきているのは、システムや仕組みがある程度確立されているからでしょう。それをコントロールしているのが、協会なのか、選手育成に長けたアカデミーなのか、マネージメント会社なのかは、国によって違うと思いますが。

 ガウフのように突き抜けた選手はすぐにWTAツアーで戦えますが、それは限られた選手です。現段階で200位以内に入っているジュニアは、早い段階から一般とジュニアの両方に出場している傾向があります。一般だけでは勝ち切れないので、ジュニア大会にも出場して、自信を失わないようにしながら、1年間の総試合数も保つようにしています。そうしてグランドスラムジュニア(四大大会のジュニア部門)で優勝し、一般への移行もスムーズにできているようです。
 
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