今回のテーマは「機能ソックス」です。皆さんはテニスをする時、どんなソックスを履いていますか？「消耗品だから３足＝1,000円のでいいよ」という方は多いと思いますし、それがいけないと言うつもりはありません。ただ、テニスショップヘ行くと、たった１足で2,000円前後のソックスが数多く並んでいます。

　１足あたり６倍もするソックスって、いったい何が違うのでしょう？ 搭載されている機能には、それぞれ必要性があり、製造技術的な難しさがあるので、どうしても高額になるのです。

　でも「高い方がいいに決まってる」と、初級者にも薦めたいわけではありません。搭載機能のほとんどが、激しいフットワークで動く方のために開発されていますから、初中級者や、楽に動ければいいという考え方のプレーヤーには、必要ないものかもしれません。

　ただいつか必要に感じた時に「あぁ、そんなのがあったな」と思い出してください。

　では、機能ソックスにはどんな“機能”が備わっているのでしょうか？ 主なものを挙げていきましょう。
  ■コンプレッション
　足をギュッと締め付ける力で、26個ある足の骨と筋肉にかかる負担を軽減するための機能です。かつては全体的にキツい圧迫がありましたが、近年では「必要な部分だけ」や「部分的サポート」として伸縮性の高い素材を組み込んだりしています。

■クッション性
　テニス用ソックスというと“ぶ厚い”ものを連想するかもしれませんが、昨今では「まるごと厚くなくてもいい」という考えが主流で、足裏やつま先部分だけが厚いものが多くなっています。タオルなどに使われるパイルよりも密に織ることで、クッション性を生みます。

■サポート性
　ソックスの機能説明やパッケージでよく見る「サポート性」の文字ですが、足首やカカトを安定させるための「ベルト状サポート」が内蔵されています。
　この機能は、踏み込んだ時に足首を安定させるものと誤解してはいけません。強い踏み込み時の足にはとても大きな力がかかり、ベルトサポートレベルで支え切れるものではありません。ソックスのサポート機能では、テーピングのような固定機能ではなく、骨や関節が動き、ズレた後、素早く元のニュートラルな位置に戻すことで、次の動きに対応しやすい状態に戻すことが狙いなのです。