国際テニス連盟(ITF)は、今夏のパリ五輪とパラリンピックのテニス競技において、ウクライナに侵攻するロシアと同盟国ベラルーシの有資格選手に対し、個人の「中立」選手として出場を認めると発表した。
ITFによれば、両国の選手たちは、国旗やエンブレム、国歌を持たない「個人」「中立」の立場での出場が認められる。したがって、ウクライナ侵攻を支援する選手や、ロシア軍、ベラルーシ軍と関係を持つ選手は対象外となる。
2022年2月のウクライナ侵攻を受け、ITFは同3月にロシアとベラルーシを非難。だが、男子プロテニス協会(ATP)、女子テニス協会(WTA)、そして四大大会の主催者で構成される委員会と合同で、両国選手の出場を個人として認めるという決定を発表していた。ウインブルドンは独自に22年大会で両国選手を出場禁止としたが、23年以降は禁止措置を解除している。
一方、国際オリンピック委員会(IOC)は、侵攻後に両国選手の国際大会除外を各国際競技連盟に勧告。しかし23年には方針を転換し、3月に個人資格の「中立」選手に限定することなど諸条件を示して復帰を促してきた経緯がある。
五輪のテニス出場枠は、シングルスで見ると男女それぞれ64選手。一つの国から男女それぞれで最大4人という条件をふまえた上で、開催国やITFなどの枠を除いてランキングの上位56選手に出場権が与えられる。
大変な狭き門だが、大国ロシアには男子のダニール・メドベージェフ(世界ランク4位)、アンドレイ・ルブレフ(同5位)、カレン・ハチャノフ(同15位)、女子もダリア・カサキナ(同12位)、リュドミラ・サムソノワ(同15位)、エカテリーナ・アレクサンドロワ(同16位)とトップ選手がずらり。ベラルーシにも女子世界2位のアリーナ・サバレンカがいる。両国選手の出場可否は、コンペティションの行方に大きな影響を及ぼす問題だった。
ちなみに、東京五輪では同じロシアが国家的なドーピング違反への制裁として、ロシアではなくロシア・オリンピック委員会(ROC)として出場。テニスでは、男子シングルスでハチャノフが銀メダルに輝いた他、混合ダブルス決勝がアナスタシア・パブリュチェンコワ/ルブレフとエレーナ・ベスニナ/アスラン・カラチェフのROC対決になるなど、ROC勢は3つのメダルを獲得している。果たして今年のパリはどうなるのか…。
構成●スマッシュ編集部
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一方、国際オリンピック委員会(IOC)は、侵攻後に両国選手の国際大会除外を各国際競技連盟に勧告。しかし23年には方針を転換し、3月に個人資格の「中立」選手に限定することなど諸条件を示して復帰を促してきた経緯がある。
五輪のテニス出場枠は、シングルスで見ると男女それぞれ64選手。一つの国から男女それぞれで最大4人という条件をふまえた上で、開催国やITFなどの枠を除いてランキングの上位56選手に出場権が与えられる。
大変な狭き門だが、大国ロシアには男子のダニール・メドベージェフ(世界ランク4位)、アンドレイ・ルブレフ(同5位)、カレン・ハチャノフ(同15位)、女子もダリア・カサキナ(同12位)、リュドミラ・サムソノワ(同15位)、エカテリーナ・アレクサンドロワ(同16位)とトップ選手がずらり。ベラルーシにも女子世界2位のアリーナ・サバレンカがいる。両国選手の出場可否は、コンペティションの行方に大きな影響を及ぼす問題だった。
ちなみに、東京五輪では同じロシアが国家的なドーピング違反への制裁として、ロシアではなくロシア・オリンピック委員会(ROC)として出場。テニスでは、男子シングルスでハチャノフが銀メダルに輝いた他、混合ダブルス決勝がアナスタシア・パブリュチェンコワ/ルブレフとエレーナ・ベスニナ/アスラン・カラチェフのROC対決になるなど、ROC勢は3つのメダルを獲得している。果たして今年のパリはどうなるのか…。
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