専門5誌オリジナル情報満載のスポーツ総合サイト

  • サッカーダイジェスト
  • WORLD SOCCER DIGEST
  • スマッシュ
  • DUNK SHOT
  • Slugger
レッスン

調子の波は誰にでもあるが、少しでも好調・不調の波を大きくしない方法は?【テニスメンタルアドバイス3】

スマッシュ編集部

2020.01.04

アドバイスしてくれた鈴木貴男(左)、吉冨愛子(中央)、綿貫陽介(右)。写真:THE DIGEST写真部

アドバイスしてくれた鈴木貴男(左)、吉冨愛子(中央)、綿貫陽介(右)。写真:THE DIGEST写真部

 昨日までやる気満々だったのに、今日はなぜか気分が乗らない…。そんな時は誰にでもあるだろう。テニスをしていると、「昨日まで調子が良かったのに、今日の試合ではまったく自分のプレーができない」という事態は、よくあるものだ。毎日試合が続くテニス選手は、調子の良しあしを、どのように捉えているのだろうか。

「僕は経験上、前日の調子がいいから、当日もいいという保証がないことを知っています」と言うのは、ベテランの鈴木貴男。「だから、試合前はあまり調子が良くない方がいいなと思っています。受け入れるのが結構つらいんですよ(笑)」

 実は調子が良い状態で試合に入った場合も、意外に落とし穴があるようだ。「調子が良い状態で試合に入ると過信するというか、注意力があまり働きません。サーフェスやボール、相手のことに気持ちがいかなくて、『もう打てば入るでしょ』くらいの気持ちになるので、ちょっと危険ですね。試合前は普通がいいです。だから、あまり好調になりすぎないように、練習ではちょっと負荷をかけたりして自分で調子を食い止めて、普通のレベルを維持できる練習にしています」
 
 鈴木同様に、当日ではなく普段の練習から工夫しているのが吉冨愛子。「普段の練習から、こういう状況を想定して、調子が悪かった時に立て直すようにしておけば、試合でもその経験を活用できます。自分がどんな調子の時でも、打開策を考えながら練習しておくと、試合の時に慌てなくてすみます」

 綿貫陽介も当日ではなく前日の考え方を変えることを勧める。「調子の良かった次の日というのは、すごく難しいです。試合が終わった時や、翌日の朝に『昨日のようにプレーをしよう』とどうしても思ってしまうので。できれば、立て直すよりも、試合の前日に考え方を変えた方がいいです」

 具体的に、どのように前日の考え方を変えているのだろうか。「良かった自分をさっぱり忘れて、次の試合で自分ができることをリセットして考えます。相手も違うし、自分も違うので。僕は自分ができることしかやらないという、典型的なタイプです。実際試合では、『昨日はここに入ったのに』ってやっぱり思いますけど、悪くても良くても引きずらない方がいいと思います」

 前日の練習で好調になりすぎないように食い止めたり、調子が崩れた時を想定して立て直す方法を練習中に見つけておく。前日に調子の良かった自分をさっぱり忘れるなど、試合までの準備が大事なことがよくわかる。

構成●スマッシュ編集部、取材協力●HEAT JAPAN、アディダスジャパン㈱
※スマッシュ2017年3月号から抜粋・再編集

【PHOTO】普段は見れない選手の私服を大公開!!

RECOMMENDオススメ情報

MAGAZINE雑誌最新号