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海外テニス

テニスシーズンを迎えたオーストラリアが森林火災で深刻な被害。女子1位のバーティー、ジョコビッチやシャラポワらが支援を表明

酒井朋子

2020.01.09

ブリスベン国際の記者会見でのバーティー(左)、支援を決めたジョコビッチ(中央)とシャラポワ(右)。(C)Getty Images

ブリスベン国際の記者会見でのバーティー(左)、支援を決めたジョコビッチ(中央)とシャラポワ(右)。(C)Getty Images

 昨年9月から始まったオーストラリアの森林火災は、未だ続いており、深刻な被害となっている。1月から本格的なテニスシーズンを迎えたオーストラリアに足を踏み入れた多くのプレーヤーたちが、その状況に心を痛め、寄付活動を行なっている。

 WTAランキング1位、地元オーストラリアのアシュリー・バーティーは、現在開催されているブリスベン国際でのシングルス、ダブルスの賞金を全額オーストラリア赤十字に寄付することを表明した。※ちなみにシングルス優勝賞金は26万6千ドル

 大会の記者会見の場で、バーティーは「本当にひどいものでした。私たちの国全体で長い間続いていることを覚えておく必要があります」と話した。フェドカップファイナルの移動の際には、パースからオーストラリア東海岸に戻る機内から煙と炎の一部を見た、とも話した。

 また、ブリスベン、パース、シドニーで行なわれているATPカップでは、選手たちがサービスエースを決めるごとに100ドルを寄付することを決めた。大会10日間で、選手たちは1500本ほどのエースを決めることが予想されている。そのため、ATPカップの寄付は15万ドルを超えることになりそうだ。
 
 ATPカップのトーナメントディレクター、トム・ラーナーは「オーストラリア国内は、山火事の危機によって壊滅的な打撃を受けています。この時期、テニスのイベントが活発に行なわれているため、テニスが救援活動と復興活動を支援することのできるまたとない機会となっています」と述べた。

 選手たちはATPカップとは別に個人的にも寄付に参加し始めており、ニック・キリオス、アレックス・デミノー以外にもジョン・ミルマン、ジョン・ピアースがサービスエースを出すたびに寄付することを約束している。

 マリア・シャラポワもツイッターで「この15年間、1月の1カ月間は、オーストラリアが私の故郷です。火が土地を破壊し、その美しい家族や動物のコミュニティが深く傷ついています。2万5000ドルから寄付を始めたいと思います」とツイートし、ノバク・ジョコビッチにも寄付を呼びかけた。ジョコビッチは「あなたの2万5000ドルの寄付と同額の援助をこれらの地域社会に送りたいと思っています。私たちは、あなたを支持します」と賛同した。

 彼らの活動とともに一刻も早く状況が鎮静化することを願うばかりだ。

文●酒井朋子(フリーライター)
 
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