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【パリ五輪】錦織圭はシングルス初戦敗退、ダニエル太郎とのダブルスは5本のマッチポイントを逃しまさかの大逆転負け<SMASH>

中村光佑

2024.07.29

シングルスはドレイパーに完敗を喫した錦織圭(左)。ダニエル(右)と組んだダブルスはマリー/エバンスに7連続失点を喫して逆転負けとなった。(C)Getty Images

 現在行なわれているパリ五輪のテニス競技(7月27日~8月4日/クレー)は2日目の現地28日に男子シングルス1回戦が行なわれ、度重なるケガからの完全復活を目指す元世界ランク4位の錦織圭(現435位)が登場。イギリス代表のジャック・ドレイパー(同26位)と対戦したが、1-6、4-6で完敗を喫し、残念ながら初戦で姿を消すこととなった。

 今回のパリ五輪が実に5大会連続のオリンピック出場となった錦織。96年ぶりの銅メダルを獲得した2016年のリオ五輪を含め直近3大会はベスト8に進出しており、4年に1度の平和の祭典では幾度となく強さを発揮してきた。

 錦織は今大会にプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置)で参戦。ドレイパーとの初顔合わせとなった初戦は現地27日に外コートでの開始を予定していたが、雨天により28日に延期となっていた。

 改めてコート12の第2試合に実施されたこの試合は、6月の「ボス・オープン」(ドイツ・シュツットガルト/芝/ATP250)でツアー初優勝を飾ったドレイパーを相手に、錦織が立ち上がりから積極的な攻撃を見せる。だが次第にドレイパーの力強いショットに押されるようになり、第4ゲームで先にサービスダウン。錦織は第6ゲームでもブレークされ、1-6で第1セットを落とした。
 
 第2セットに入っても思うような展開を作れない錦織は第5ゲームでブレークポイントを握られたが、ここは踏ん張って何とかセーブ。すると続く第6ゲームでは錦織に待望のチャンスが到来する。鋭いリターンと攻撃的なフォアのショットを起点にブレークポイントを取得。だが要所ではドレイパーのファーストサービスがことごとく決まり、リードを奪うことができない。

 コートを広く使う攻撃で流れをつかみかけたものの、結局4度のブレークチャンスを生かせなかった錦織。これでエネルギーを使い果たしてしまったのか、続く第7ゲームではフォアのミスが続いて自身のサービスを破られ厳しい状況に立たされる。以降も錦織はドレイパーの勢いを止められず、このセットを4-6で落として初戦敗退となった。

 この後錦織は、同日に行なわれた男子ダブルス1回戦にもダニエル太郎(シングルス90位)とのペアで登場し、今大会限りでの現役引退を表明している元世界1位のアンディ・マリー(同121位)と、ダニエル・エバンス(同59位)のイギリスペアと対戦。

 ここではまさかの結末が待っていた。錦織/ダニエルは6-2、6-7(5)で迎えたファイナルセットのマッチタイブレークで9-4と5本のマッチポイントを握りながらも、そこからまさかの7連続失点を喫して大逆転負け。こちらも2回戦進出とはならなかった。

 だがこれで終わったわけではない。錦織は柴原瑛菜との混合ダブルスにもエントリーしており、現地29日にカロリーヌ・ガルシア/エドゥアール・ロジェ-バセラン(フランス)との初戦を迎える予定だ。なお錦織が3種目全てに出場すると、五輪では日本人選手初の快挙となる。

文●中村光佑

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