全国各地の予選を勝ち抜いたジュニアが頂点を目指す国内最大規模の大会「ユニクロ全日本ジュニアテニス選手権2024」(8月26日~9月6日/東京・有明テニスの森)。大会最終日となる9月6日は、今年から新設された「車いすテニス」のシングルス決勝が行なわれ、橘龍平(浦安ジュニア車いすテニスクラブ/ジュニア世界ランク12位)が、6-1、6-2のストレートで門脇圭祐(仙台育英学園高校/同27位)に勝利して初代チャンピオンに輝いた。
有明コロシアムでの試合はこれが初めてということもあり「緊張したと」いう橘。だが、そうした中でも得意のサービスを軸に緩急織り交ぜたストロークでポイントを重ねて第1セットを奪取すると、続く第2セットも安定したゲーム運びで門脇に付け入る隙を与えず。「日本の選手には7年間ほど負けたことがない」という橘は、その言葉通りの強さを発揮してタイトルを手にした。
全日本ジュニアでは、年代別シングルスで優勝した選手とフェアプレー賞受賞者に副賞として米国派遣がプレゼントされるが、車いす部門も健常者同様に米国派遣の副賞が贈られる。そして現地では車いすテニス界のレジェンドで本大会のアンバサダーを務める国枝慎吾氏との交流がもたれるという。
国内では無敵の橘だが、昨冬の国際大会では海外の選手に敗れたこともあり、現在は世界を視野にいれて練習に取り組んでいるという。だからこそ「国枝さんが拠点としているところ(米国テニス協会)に行けるので楽しみにしています」と大きな期待を寄せる。
健常者の大会で車いすテニス部門が最初に新設されたのは2019年の男子の「ジャパンオープン」で、23年から女子の「ジャパンオープン」でも開催されている。そして今回、国内最高峰のジュニア大会でも導入された。
こうした改革に関して日本テニス協会の土橋登志久専務理事は「健常者と障害者の垣根を越えたインクルーシブな大会の開催となり、テニス協会が理念として掲げている"多様性と調和のある社会の実現"にまた一歩近づくことができることをうれしく思っております」と大会前に語っていたが、今回車いす部門で優勝した橘も「健常者のトップジュニアの試合を間近に見られてすごく刺激を受けた」と言う。
新たな試みはスタートしたばかり。決勝後、有明コロシアムのコートで感想を聞かれた橘は「この規模の車いす大会はないので、来年もぜひ開催してほしいです」とスピーチした。
取材・文●小松崎弘(スマッシュ編集部)
【画像】全日本ジュニアテニス選手権「車いすテニスの部」初代チャンピオンを目指した決勝戦厳選フォト!
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健常者の大会で車いすテニス部門が最初に新設されたのは2019年の男子の「ジャパンオープン」で、23年から女子の「ジャパンオープン」でも開催されている。そして今回、国内最高峰のジュニア大会でも導入された。
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新たな試みはスタートしたばかり。決勝後、有明コロシアムのコートで感想を聞かれた橘は「この規模の車いす大会はないので、来年もぜひ開催してほしいです」とスピーチした。
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