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海外テニス

「僕たちは革命のスタートラインに立っている」チチパスが過密スケジュール改善へ向けて持論を展開<SMASH>

スマッシュ編集部

2024.09.29

選手の環境改善に向け、具体的な変革のプランを提示したチチパス。(C)Getty images

選手の環境改善に向け、具体的な変革のプランを提示したチチパス。(C)Getty images

 長年スケジュールの過密さが問題視されてきたテニス界だが、ここ最近は当事者となる選手たちからの疑問の声が非常に多くなってきている。

 男子テニス世界ランク3位のカルロス・アルカラス(スペイン)は、出場した「レーバー・カップ」(9月20日~22日/ドイツ・ベルリン/ハードコート)大会期間中のインタビューで、「スケジュールはとてもタイトで休みが全くない」、「多くの優秀な選手たちが、自分の身体のことを考えて大会を欠場することになる」とコメント。

 アルカラスの言う通り、女子テニス界では9月に入って、エリーナ・スビトリーナ(ウクライナ/世界27位)やオンス・ジャバー(チュニジア/同21位)、エレナ・ルバキナ(カザフスタン/同4位)、カロリーヌ・ガルシア(フランス/同36位)らが今季のツアーを離脱することを発表。いずれの選手も理由は試合に次ぐ試合の日々から離れ、ケガの治療やメンタルヘルスの回復に努めるためというものだ。

 この現状に、新たな批判の声を上げたのは男子テニス世界12位のステファノス・チチパス(ギリシャ)だ。テニス専門メディア『TennisMajors』によると、「プレーする僕たちが最もスケジュールの厳しさを疑問視している。変革の必要性が今ほど求められたことはないだろう」とコメント。
 
 続けて「大会主催者や、スポンサー、放送局はスタジアムを満員にして視聴者を稼ぐことに集中している。しかしこれを見直すべきなんだ。量より質に移行してみるのはどうか? トーナメントの数は減っても、一つひとつの大会が重要な意味を持つことになる。

 スケジュールを詰め込むのではなく、選手たちに十分なリカバリーの時間を与えて、いつでもコート上でベストを尽くせるようにするんだ。毎週世界中の大会を追いかけるのではなく、ある年は南米で、またある年はアジアでと場所を変えて開催するのもいいかもしれない」と、選手たちの環境改善に向けた意見を述べた。

「僕たちは今、テニス界の革命のスタートラインに立っている。ツアーで生き残ることではなく、ツアーで成功することを目的とするべきだ。変革は簡単ではないけれど、もしうまくいけばテニスは新たな時代を迎えることができる。選手、ファン、そしてスポーツの未来のために、僕たちが愛するテニスをより良いものにするんだ」

 毎年、ツアー終盤に差し掛かるこの時期にケガによる離脱が相次いでいたテニス界だが、前述の通り今季も例外ではない。徐々に高まる変革の機運が、いずれ選手にとってより良い結果を生むことに期待したい。

構成●スマッシュ編集部

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