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元世界3位ディミトロフが明かすテニスとの出会いと競技愛!「人生をどのように語るかを僕に教えてくれた」<SMASH>

中村光佑

2024.12.03

ディミトロフがATP公式サイトで自身のキャリアを振り返り、テニスへの愛を語った。(C)Getty Images

 男子テニスツアーを管轄するATP(男子プロテニス協会)が12月2日に公式サイトを更新し、「テニスへのラブレター」と題した特別動画を公開。元世界ランク3位のグリゴール・ディミトロフ(ブルガリア/現10位)が出演し、テニスとの出会いや競技への愛を語った。

 現在33歳のディミトロフは2008年にプロデビュー。ロジャー・フェデラー(スイス/元1位/22年引退)を彷彿とさせる華麗な片手バックハンドや強力なフォアハンドを武器に活躍を遂げ、当時26歳で出場した17年8月の「シンシナティ・オープン」(アメリカ・シンシナティ/ハード/ATP1000)でマスターズ初優勝を達成。

 同年11月のシーズン最終戦「Nitto ATPファイナルズ」(イギリス・ロンドン/ハード/FIN)でも頂点に立ち、直後にはキャリアハイの世界3位をマークした。

 そんなディミトロフがテニスと出会ったのは3歳の時。「親愛なるテニスよ、あなたが僕の心に与えてくれた全てのことに、永遠に感謝するだろう」と詩的な表現で切り出した33歳の名手は、競技にのめり込んだ幼少期とジュニア時代の思い出を次のように回顧した。

「3歳の頃、母がくれたとても小さなラケットであなた(テニス)と出会った。初めてあなたと触れ合ったのは、村にあったひび割れた壁に向かってボールを打った時だ。僕らの冒険が転機を迎えたのは、父と一緒にコートに立ち、彼が僕にテニスを教えてくれた時だった。

 僕らの年月は敗北や苦しい瞬間、感動、そして素晴らしい瞬間で満ちていた。まさにあなたに一目惚れをした。11歳の頃、フランスの大会で優勝したことを覚えている。家でトロフィーを見つめている時に両親が帰ってきて、僕はこう言ったんだ。『これが僕のやりたいことだ』とね」
 
 キャリアを重ねる中でつらいことは多々あったというディミトロフだが、プロ選手として長年プレーしているテニスには、常々深く感謝していると語る。

「あなたが何度も私の心を傷つけた時、あなたに感謝すべきかどうかわからなかった。でも感謝している。そういうつらい瞬間でさえも経験する必要があったし、同時に、あなたは人生をどのように語るかを僕に教えてくれた。

 あなたとの思い出深い瞬間を聞かれたら、どこから話せばいいのだろう。14歳でヨーロッパ選手権を優勝したこと、ジュニアグランドスラムで優勝したこと、コートで最高の選手たちを相手に信じられないポイントを挙げたこと、特別な大会で優勝することから、僕に最大限の笑顔をもたらすものまで、(思い出の)全てはあなたのおかげだ。テニスよ、これからもよろしくね!」

 今季はシーズン開幕戦の「ブリスベン国際」(オーストラリア・ブリスベン/ハードコート/ATP250)で約6年2カ月ぶりのツアー優勝を挙げ、4月には約5年半ぶりのトップ10復帰を果たしたディミトロフ。来季もどんなプレーを見せてくれるのか非常に楽しみだ。

文●中村光佑

【動画】ディミトロフがテニスとの出会いや競技への愛を語る

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