いよいよ佳境を迎えているテニス四大大会「全豪オープン」で発生した“疑惑のシーン”が物議を醸している。
それは現地1月22日に行なわれたイガ・シフィオンテク(ポーランド/世界ランク2位)とエマ・ナバーロ(アメリカ/同8位)による女子シングルス準々決勝でのことだ。
6-1で第1セットを先取したシフィオンテクは、2-2で迎えた第2セット第5ゲームで2度のデュースに持ち込まれるも、ナバーロの巧みなドロップショットに全力ダッシュで食らいつき、相手の返球ミスを誘ってサービスをキープ。ところがこの場面を公式チャンネルなどのリプレー映像で確認してみると、シフィオンテクはボールがツーバウンドしてから相手コートに返しているように見えるのだ。
だがナバーロがすぐにプレーを止めず、主審への抗議もしなかったため、ポイントはそのままシフィオンテクに。ピンチを凌いで流れをつかんだシフィオンテクは以降のゲームを連取して6-2とし、ベスト4進出を決めた。
『AP通信』によれば、全豪オープンでは今年から初めてビデオ判定システムが導入されており、ツーバウンドの可否についても検証できるとのこと。しかしそれを行使できるのはポイントの途中で選手が自らプレーを止めた時だけだという。ナバーロは敗戦後の会見で疑惑のシーンについて次のように言及している。
「あの後、私は主審にリプレー映像を出せるかと尋ねたわ。でも私がプレーを続けたから見られないと言われたの」
ただしナバーロはシフィオンテクが2バウンドしたかを明確に認識しているかはわからないと述べており、「あの場面が勝敗に影響したわけではない」ともコメント。とはいえビデオ判定を設けているのであれば、それを効果的に活用して最終的な判定を下すべきだと主張する。
「展開が非常に速いから、たとえプレーを続けてしまっても、その後で確認できるようにするべきだと思う。普段は自分がショットを打って、相手がそれを返してきたら、『プレーは続いていたんだな』って思う。でも微妙な場面だと、心の奥で『コールはなかったけど、まだこのポイントは自分のものになるかもしれない』と考えるわ。まあポイントを止めて、それがツーバウンドじゃなかったとわかったら本当にがっかりするから、その辺は難しいけどね」
一方のシフィオンテクは当該シーンについて「全力疾走していたから、判断が難しかった」と前置きし、こう語っている。
「あのポイントの後はリプレー映像が出なかった。ツーバウンドだったのか、それともラケットのフレームで、寸前で返せたのかはわからない。ボールを打つ時によく見ていないこともあるから、確信がなかった。それを判定するのは審判の仕事だと思っていた」
なお勝ったシフィオンテクは初の全豪決勝進出を懸け、現地23日夜に予定されている準決勝で第19シードのマディソン・キーズ(アメリカ/14位)と対戦する。
文●中村光佑
【動画】シフィオンテクがドロップショットを拾った問題のシーン。スロー映像(1分28秒頃)を見ると2バウンドのようにも?
【画像】シフィオンテク、ナバーロら全豪オープン2025で熱戦を繰り広げる女子選手たちの厳選写真!
【関連記事】シフィオンテクのドーピング問題に終止符!WADAによる提訴は行なわれず「決着がつき、満足している」<SMASH>
それは現地1月22日に行なわれたイガ・シフィオンテク(ポーランド/世界ランク2位)とエマ・ナバーロ(アメリカ/同8位)による女子シングルス準々決勝でのことだ。
6-1で第1セットを先取したシフィオンテクは、2-2で迎えた第2セット第5ゲームで2度のデュースに持ち込まれるも、ナバーロの巧みなドロップショットに全力ダッシュで食らいつき、相手の返球ミスを誘ってサービスをキープ。ところがこの場面を公式チャンネルなどのリプレー映像で確認してみると、シフィオンテクはボールがツーバウンドしてから相手コートに返しているように見えるのだ。
だがナバーロがすぐにプレーを止めず、主審への抗議もしなかったため、ポイントはそのままシフィオンテクに。ピンチを凌いで流れをつかんだシフィオンテクは以降のゲームを連取して6-2とし、ベスト4進出を決めた。
『AP通信』によれば、全豪オープンでは今年から初めてビデオ判定システムが導入されており、ツーバウンドの可否についても検証できるとのこと。しかしそれを行使できるのはポイントの途中で選手が自らプレーを止めた時だけだという。ナバーロは敗戦後の会見で疑惑のシーンについて次のように言及している。
「あの後、私は主審にリプレー映像を出せるかと尋ねたわ。でも私がプレーを続けたから見られないと言われたの」
ただしナバーロはシフィオンテクが2バウンドしたかを明確に認識しているかはわからないと述べており、「あの場面が勝敗に影響したわけではない」ともコメント。とはいえビデオ判定を設けているのであれば、それを効果的に活用して最終的な判定を下すべきだと主張する。
「展開が非常に速いから、たとえプレーを続けてしまっても、その後で確認できるようにするべきだと思う。普段は自分がショットを打って、相手がそれを返してきたら、『プレーは続いていたんだな』って思う。でも微妙な場面だと、心の奥で『コールはなかったけど、まだこのポイントは自分のものになるかもしれない』と考えるわ。まあポイントを止めて、それがツーバウンドじゃなかったとわかったら本当にがっかりするから、その辺は難しいけどね」
一方のシフィオンテクは当該シーンについて「全力疾走していたから、判断が難しかった」と前置きし、こう語っている。
「あのポイントの後はリプレー映像が出なかった。ツーバウンドだったのか、それともラケットのフレームで、寸前で返せたのかはわからない。ボールを打つ時によく見ていないこともあるから、確信がなかった。それを判定するのは審判の仕事だと思っていた」
なお勝ったシフィオンテクは初の全豪決勝進出を懸け、現地23日夜に予定されている準決勝で第19シードのマディソン・キーズ(アメリカ/14位)と対戦する。
文●中村光佑
【動画】シフィオンテクがドロップショットを拾った問題のシーン。スロー映像(1分28秒頃)を見ると2バウンドのようにも?
【画像】シフィオンテク、ナバーロら全豪オープン2025で熱戦を繰り広げる女子選手たちの厳選写真!
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