今季最初のテニス四大大会「全豪オープン」男子シングルス決勝は、若き王者ヤニック・シナー(イタリア/世界ランキング1位)がアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/同2位)に1度もブレークポイントを与えない圧巻の勝利で大会連覇を達成。昨年9月の全米オープンに続き、四大大会で2大会連続となるストレート決着を演じて見せた。
一方のズベレフは、これにより四大大会の決勝で3連敗となった。彼の苦しい戦いぶりを見た同じドイツ人のボリス・ベッカー(元1位/57歳)は、試合前のある様子からズベレフの劣勢を予感していたという。女子元9位のアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ/37歳)とのポッドキャストで次のように語っている。
「コートに入ってくる時、彼は肩を少し前に落として頭を下げていたので、『ああー、神様、神様、神様』って思ったんだ。
彼は緊張していて、神経質で、正しい心構えができていない。これは厳しい試合になるだろう。その後、シナーがコートに足を踏み入れると、彼はまるで太陽のように見えた。集中し、胸を張り、頭を高く上げていた」
ベッカーに「ズベレフ不利」を思わせたのは、落差のあったふたりの入場シーンだったというわけだ。そしてドイツ人レジェンドは、四大大会制覇に欠かせない要素をこう指摘する。
「このような決勝では、もちろん戦略やフォアハンド、ボールコントロールが重要だ。しかし、何よりも重要なのは考え方とメンタリティなんだ。私にとって、それがシナーとズベレフの大きな違いだった」
もっとも、ズベレフがうまくマインドセットできていなかったとしても無理はない。
シナーは、初の四大大会決勝となった2024年の全豪オープンを制し、同年の全米オープンでもライバルたちを圧勝したのに対し、ズベレフは初の四大大会決勝だった20年全米でドミニク・ティーム(オーストリア/元3位)に6-2、6-4、4-6、3-6、6-7(6)の惜敗。
さらに昨年の全仏ではカルロス・アルカラス(スペイン/現3位)に3-6、6-2、7-5、1-6、2-6で屈して四大大会決勝2連敗とした。負け知らずで3勝のシナー(ちなみにアルカラスは同じく負け知らずの4勝)とは、あまりにも対照的だ。そしてコート上でも、ズベレフが称えたように「(シナーは)あまりにも強すぎた」
ズベレフがこの悔しさを晴らすには四大大会で優勝するしかないだろう。彼を全米決勝で下し四大大会初で優勝を果たしたティームの場合は、それが4度目の挑戦だった。27歳のズベレフにも、きっと次のチャンスがあるはずだ。
構成●スマッシュ編集部
【画像】世界ランク1位のシナーがズベレフをストレートで破り大会2連覇を達成!|全豪OP2025男子シングルス決勝
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【関連記事】「プレーできるかわからなかった」全豪を制したシナーのコーチが明かす、4回戦での危機的状況<SMASH>
一方のズベレフは、これにより四大大会の決勝で3連敗となった。彼の苦しい戦いぶりを見た同じドイツ人のボリス・ベッカー(元1位/57歳)は、試合前のある様子からズベレフの劣勢を予感していたという。女子元9位のアンドレア・ペトコビッチ(ドイツ/37歳)とのポッドキャストで次のように語っている。
「コートに入ってくる時、彼は肩を少し前に落として頭を下げていたので、『ああー、神様、神様、神様』って思ったんだ。
彼は緊張していて、神経質で、正しい心構えができていない。これは厳しい試合になるだろう。その後、シナーがコートに足を踏み入れると、彼はまるで太陽のように見えた。集中し、胸を張り、頭を高く上げていた」
ベッカーに「ズベレフ不利」を思わせたのは、落差のあったふたりの入場シーンだったというわけだ。そしてドイツ人レジェンドは、四大大会制覇に欠かせない要素をこう指摘する。
「このような決勝では、もちろん戦略やフォアハンド、ボールコントロールが重要だ。しかし、何よりも重要なのは考え方とメンタリティなんだ。私にとって、それがシナーとズベレフの大きな違いだった」
もっとも、ズベレフがうまくマインドセットできていなかったとしても無理はない。
シナーは、初の四大大会決勝となった2024年の全豪オープンを制し、同年の全米オープンでもライバルたちを圧勝したのに対し、ズベレフは初の四大大会決勝だった20年全米でドミニク・ティーム(オーストリア/元3位)に6-2、6-4、4-6、3-6、6-7(6)の惜敗。
さらに昨年の全仏ではカルロス・アルカラス(スペイン/現3位)に3-6、6-2、7-5、1-6、2-6で屈して四大大会決勝2連敗とした。負け知らずで3勝のシナー(ちなみにアルカラスは同じく負け知らずの4勝)とは、あまりにも対照的だ。そしてコート上でも、ズベレフが称えたように「(シナーは)あまりにも強すぎた」
ズベレフがこの悔しさを晴らすには四大大会で優勝するしかないだろう。彼を全米決勝で下し四大大会初で優勝を果たしたティームの場合は、それが4度目の挑戦だった。27歳のズベレフにも、きっと次のチャンスがあるはずだ。
構成●スマッシュ編集部
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