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海外テニス

日本テニス界期待の坂本怜が考える錦織圭という選手「近付いているようで、遠い存在のように感じます」<SMASH>

中村光佑

2025.02.07

昨年1月に全豪のジュニア部門で優勝して9月にプロに転向。12月には下部大会で初優勝を飾った18歳の坂本怜(左)が憧れの錦織について語った(写真は昨年のジャパンオープン時)。写真:滝川敏之

昨年1月に全豪のジュニア部門で優勝して9月にプロに転向。12月には下部大会で初優勝を飾った18歳の坂本怜(左)が憧れの錦織について語った(写真は昨年のジャパンオープン時)。写真:滝川敏之

 男子テニスツアーを管轄するATP(男子プロテニス協会)は2月5日に公式サイトを更新し、次代の日本テニス界を担う逸材として注目を集めている18歳の坂本怜(世界ランキング364位)のインタビュー記事を掲載。その中で坂本はツアー12勝を誇る元4位の錦織圭(現71位/35歳)の存在について語っている。

 坂本は2014年の全米オープンでアジア人男子初の四大大会決勝進出を果たした錦織が、悲願のグランドスラム初優勝を懸けて戦っていた姿を鮮明に覚えているそうだ。当時8歳だった坂本は祖母の家でオレンジを食べながら、錦織が準決勝で当時世界1位だったノバク・ジョコビッチ(セルビア/現6位)を破って迎えた歴史的瞬間を目に焼き付けたという。

 あれから10年後の2024年、坂本は「全豪オープン」のジュニア部門にシングルスで出場し、日本人離れした193cmの長身から繰り出される力強いサービスを生かして見事優勝。プロ転向後の10月に出場した国内開催のツアー公式戦「木下グループジャパンオープン」(日本・東京/ATP500)では憧れの錦織とダブルスを組み、会場のファンを大いに沸かせた。

 12月には自国で開かれたATPツアー下部大会「四日市チャレンジャー」(三重・四日市/ハード/CH75)で優勝。ちなみに18歳5カ月でのチャレンジャー優勝は、日本人選手としては08年に18歳3カ月で同カテゴリーの大会を制した錦織に次ぐ史上2番目の年少記録だ。しかしこの時に坂本は自身の錦織に対する尊敬の念が一層深まったと振り返る。

 というのも錦織は18歳1カ月で出場した08年2月の「デルレイビーチ・オープン」(アメリカ・フロリダ)を制し、今の自分と同じ年齢でチャレンジャーよりも先にツアー大会を優勝するという離れ業をやってのけたからだ。それを踏まえて坂本は次のように語った。
 
「錦織選手と自分を比較すると、まるで別の世界にいるように感じます。彼は18歳で初めてATPツアーのタイトルを獲得しました。僕はチャレンジャーでタイトルを取ったけど、彼と比較すると、近付いているようで、遠い存在のように感じます」

 それでも、坂本と錦織はキャリア初期の道のりにいくつかの共通点がある。22年2月、当時15歳だった坂本は、錦織が14歳の時から練習拠点としている米フロリダ州の『IMGアカデミー』に留学。そうした背景もあって坂本は錦織と親しい関係性を築いているようだ。

 坂本は錦織の人柄や一緒に練習をする中で錦織から受けたアドバイスをこう明かしている。

「錦織選手はとても優しくフレンドリーで、時々冗談を言ってきたりもする。コート上では昔と変わらない感じだけど、コート外ではとてもリラックスした人。僕は彼のことがとても好きです」

「彼は『身長を生かしてサーブからのプレーを強化すれば、それが今のトッププロのプレースタイルだよ』と言ってくれました。それで僕は自分のテニスを少し攻撃的なスタイルに変えることを考え始めたんです」

 インタビューの最後には全米オープンの予選出場に向けたランキングアップと20歳以下のシーズン最終戦「Next Gen ATPファイナルズ」への出場を目標に掲げた坂本。錦織からの金言を胸に、世界へその名を轟かせてほしい。

文●中村光佑

【画像】坂本怜が錦織圭とダブルスを組んで臨んだ2024年ジャパンオープン厳選写真

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