"小さな巨人"の輝かしいキャリアに幕が下ろされた。
男子テニスツアー「IEB+アルゼンチン・オープン」(2月10日~16日/アルゼンチン・ブエノスアイレス/クレーコート/ATP250)は、大会4日目の現地13日にシングルス2回戦が行なわれ、今大会限りでの引退を表明していた元世界ランク8位のディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/現386位)が登場。ペドロ・マルチネス(スペイン/同41位)に2-6、2-6で敗れ、現役ラストマッチを終えた。
現在32歳のシュワルツマンは2010年にプロデビュー。ツアーレベルでは4つのタイトルを獲得し、20年には全仏オープンでの自身初の四大大会ベスト4進出や、キャリアハイ世界8位をマークするなど、身長170センチとプロテニス選手としては小柄な身体から繰り出される力強いプレーで大きな成功を収めた。
しかし近年は極度の不振に陥り、昨年5月に今回の「IEB+アルゼンチン・オープン」をもって現役を退くと正式に発表していた。
そして迎えたキャリア最後の大会。初戦で元世界16位のニコラス・ジャリー(チリ/現40位)を破るなど意地を見せたシュワルツマンだったが、続く2回戦ではマルチネスに計5度ものブレークを奪われてストレートで敗戦。だが、この試合はマルチネスのマッチポイントで涙を流したシュワルツマンに母国の観客が大声援と大きな拍手を送るなど終始感動的なムードに包まれた。
惜しまれながらもラケットを置いた"小さな巨人"は、試合後の記者会見で約15年にもわたる自身のキャリアを感慨深げに振り返った。
「素晴らしい旅だった。僕自身は2017年以降、テニス選手として飛躍を遂げたが、本当に信じられないほどの経験をさせてもらった。このスポーツにもたらされる変化というのはすさまじく、エリートの地位を維持することがどれほど難しいかを身をもって実感した。その5年間で自分があれほどの競争力を維持できたことは本当に素晴らしいことだと思う。心から(キャリアを)楽しめた」
引退後は「テニスの発展に関わっていきたい」とシュワルツマンは意欲的に言う。最後には自身が思う"現代テニス界に必要なこと"を次のように主張した。
「このスポーツには、よりモダンな方向へと進化するための変革が必要だと思う。よりダイナミックなフォーマットでプレーする自由を選手に与え、若い世代を惹きつけるような仕組みを作るべきだ。今後10年間でテニス界は大きく変わっていくだろうし、選手たちはもっと影響力を持つべきだと思う」
誰よりも小さな身体で屈強な男たちに懸命に立ち向かってきたシュワルツマン。そんな彼のプレーがもう見られないのは本当に寂しい限りだが、これから歩む"第2の人生"に、多くの幸せが待っていることを願いたい。
文●中村光佑
【動画】シュワルツマン現役最後の試合「アルゼンチン・オープン」感動ハイライト
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男子テニスツアー「IEB+アルゼンチン・オープン」(2月10日~16日/アルゼンチン・ブエノスアイレス/クレーコート/ATP250)は、大会4日目の現地13日にシングルス2回戦が行なわれ、今大会限りでの引退を表明していた元世界ランク8位のディエゴ・シュワルツマン(アルゼンチン/現386位)が登場。ペドロ・マルチネス(スペイン/同41位)に2-6、2-6で敗れ、現役ラストマッチを終えた。
現在32歳のシュワルツマンは2010年にプロデビュー。ツアーレベルでは4つのタイトルを獲得し、20年には全仏オープンでの自身初の四大大会ベスト4進出や、キャリアハイ世界8位をマークするなど、身長170センチとプロテニス選手としては小柄な身体から繰り出される力強いプレーで大きな成功を収めた。
しかし近年は極度の不振に陥り、昨年5月に今回の「IEB+アルゼンチン・オープン」をもって現役を退くと正式に発表していた。
そして迎えたキャリア最後の大会。初戦で元世界16位のニコラス・ジャリー(チリ/現40位)を破るなど意地を見せたシュワルツマンだったが、続く2回戦ではマルチネスに計5度ものブレークを奪われてストレートで敗戦。だが、この試合はマルチネスのマッチポイントで涙を流したシュワルツマンに母国の観客が大声援と大きな拍手を送るなど終始感動的なムードに包まれた。
惜しまれながらもラケットを置いた"小さな巨人"は、試合後の記者会見で約15年にもわたる自身のキャリアを感慨深げに振り返った。
「素晴らしい旅だった。僕自身は2017年以降、テニス選手として飛躍を遂げたが、本当に信じられないほどの経験をさせてもらった。このスポーツにもたらされる変化というのはすさまじく、エリートの地位を維持することがどれほど難しいかを身をもって実感した。その5年間で自分があれほどの競争力を維持できたことは本当に素晴らしいことだと思う。心から(キャリアを)楽しめた」
引退後は「テニスの発展に関わっていきたい」とシュワルツマンは意欲的に言う。最後には自身が思う"現代テニス界に必要なこと"を次のように主張した。
「このスポーツには、よりモダンな方向へと進化するための変革が必要だと思う。よりダイナミックなフォーマットでプレーする自由を選手に与え、若い世代を惹きつけるような仕組みを作るべきだ。今後10年間でテニス界は大きく変わっていくだろうし、選手たちはもっと影響力を持つべきだと思う」
誰よりも小さな身体で屈強な男たちに懸命に立ち向かってきたシュワルツマン。そんな彼のプレーがもう見られないのは本当に寂しい限りだが、これから歩む"第2の人生"に、多くの幸せが待っていることを願いたい。
文●中村光佑
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