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【テニスギア講座】ソールの摩耗やクッション感の低下...こうなったらシューズの買い替え時!<SMASH>

松尾高司

2025.03.01

一般男性愛好家が2年間履いたシューズ(下)を、同じ現行モデルの新品(上)と比較。つま先側の摩耗が顕著で、黄色い部分が特に擦り減っている(※新旧でソールが異なるのはモデルチェンジに伴うもの)。写真提供:松尾高司

一般男性愛好家が2年間履いたシューズ(下)を、同じ現行モデルの新品(上)と比較。つま先側の摩耗が顕著で、黄色い部分が特に擦り減っている(※新旧でソールが異なるのはモデルチェンジに伴うもの)。写真提供:松尾高司

 今回のテーマは「テニスシューズ買い替えの見切りポイント」です。シューズはずっと履き続けていると性能低下がわかりにくいもの。どのタイミングで買い替えればいいのでしょうか。

 テニスシューズには、テニスという運動に必要なたくさんの機能が盛り込まれています。基本的には6つの機能が挙げられるでしょう。

 まず重要なのはグリップ性、安定(ホールド)性、衝撃緩和性、屈曲性。これに軽量性やフィット性などが付け加えられます。これら要素のどれもが、使用するうちに機能的な劣化をしていきます。

 どれかの機能が失われた時、シューズの寿命は尽きるのですが、「継続的に履いている」ということが、人間をとても鈍感にさせます。その点、プロは見切りが早いです。その理由は、一般プレーヤーとプロではシューズに求める性能レベルがまるで違うからです。

 プロは勝利することが仕事ですから、道具についてもハイレベルなパフォーマンスを要求するため、ある一定の性能を発揮できなくなったら、惜しむことなく新しいものへと交換します。
 
 ハイレベルな学生競技者も勝利を目指してストリングの張り替え頻度は高いですが、「シューズの履き替えスパン」では、プロと明らかな差があります。一般プレーヤーになると、試合によく出るという方で半年に一度。多くの方が1年に一度くらいの買い替え頻度と思われます。

 でもプロの場合は、ハードコートでの試合・練習が多いため、踏み込みが強く、消耗がとても激しいので、「年間に10足以上」のシューズを使わなければなりません。世界のトップクラスとなれば、1大会ごとに新しいシューズが提供されることもあるでしょう。

 プロが短期間でシューズを履き替える理由は、「ソールの摩耗によるグリップ力低下」と「ねじれ剛性低下によるホールド性低下」のためです。

 ソールのグリップ性能は「止まる&蹴り出す」の両方に機能し、素早い反応・高速パフォーマンスの実現に関与します。ねじれ剛性の高さは、踏み込み時の安定性保持が、蹴り出しパフォーマンスの向上につながるからです。

 これらが低下すると、プロプレーヤーは思い切って強く踏み込むのが怖くなります。それに蹴り返し反応も遅くなるので、十分な性能が維持できているフレッシュなシューズが必要になるのです。
 
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