男子テニスツアーのATP500シリーズ「ドバイ・デューティ・フリー・テニス選手権」(2月24日~3月1日/UAE・ドバイ/ハードコート)は大会最終日の現地1日にシングルス決勝を実施。第4シードで元世界ランク3位のステファノス・チチパス(ギリシャ/現11位)が、ノーシードで元6位のフェリックス・オジェ-アリアシム(カナダ/現21位)を6-3、6-3で下し、ツアー12勝目を飾った。
四大大会のシングルスで過去2度決勝に進出し、2019年には年間成績で上位8名だけが出場できるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」を制すなど若くから活躍してきた26歳のチチパス。だがなぜかATP500のタイトルにはとことん縁がなかった。同カテゴリーではこれまで19年と20年のドバイ選手権を含め11度にわたって決勝に進出していたものの、いずれもあと一歩のところで優勝を逃していたのだ。
それだけではない。ここ最近のチチパスは成績が低迷しており、昨年2月には19年3月から約5年間維持してきたトップ10から陥落。今季もドバイ開幕前の段階で3勝4敗と苦戦を強いられていた。
そこでチチパスは「近年のボールやサーフェスの球足の変化に対応する」目的でラケットを新調。それが早くも奏功し、今大会はロレンツォ・ソネゴ(イタリア/35位)、カレン・ハチャノフ(ロシア/24位)、マテオ・ベレッティーニ(イタリア/30位)、タロン・フリークスポール(オランダ/47位)といったツアー屈指の実力者たちをなぎ倒して決勝へと駒を進めていた。
決勝の相手はすでに今季2勝を挙げている24歳のオジェ-アリアシム。非常に厳しい戦いとなることが予想されたが、この試合はチチパスがベースライン上での力強いストロークを軸に主導権を掌握した。計3度のブレークに成功し、反対に相手の7本のブレークポイントは全てセーブ。粘り強さも発揮したチチパスが1時間28分で勝利を収めた。
ようやく“ATP500の呪い”から解き放たれたチチパスは試合後のインタビューでプレー内容を振り返り、次のように充実感を語った。
「ドバイで3度目の挑戦にしてついにこのトロフィーを手にしたことには、大きな安堵感がある。これ(ドバイ優勝)はずっと心の片隅にあった目標だったから、達成できて本当にうれしい。対戦相手は素晴らしい選手で、簡単な試合ではなかったけど、プレッシャーがあった中で自分をコントロールし、大事な場面でしっかりとプレーできたことを誇りに思う」
チチパスのツアー優勝は昨年4月の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(クレー/ATP1000)以来約1年ぶり。大会後に更新される世界ランキングでも1年越しのトップ10復帰が確定した。最後には「トップ10に戻れることは、選手として最高の気分。そこに至るには努力と犠牲が必要だが、こうして自分の努力が報われたことを心からうれしく思う」と喜びを明かした。
一方敗れたオジェ-アリアシムは惜しくも今季3勝目とはならず。「今日は自分の日ではなかった」と悔しさを滲ませつつ、「ステファノスと彼のチームにおめでとうと言いたい。僕たちは長い付き合いだけど、今日は本当に素晴らしいプレーをしていたね」と素直に勝者を称えた。
文●中村光佑
【動画】チチパスVSオジェ-アリアシムの「ドバイ選手権」決勝ハイライト
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【関連記事】「7784」錦織圭を破ったチチパスが残した謎の暗号とは? 英紙が注目「近くにあったカメラのレンズにサインし…」
四大大会のシングルスで過去2度決勝に進出し、2019年には年間成績で上位8名だけが出場できるシーズン最終戦「ATPファイナルズ」を制すなど若くから活躍してきた26歳のチチパス。だがなぜかATP500のタイトルにはとことん縁がなかった。同カテゴリーではこれまで19年と20年のドバイ選手権を含め11度にわたって決勝に進出していたものの、いずれもあと一歩のところで優勝を逃していたのだ。
それだけではない。ここ最近のチチパスは成績が低迷しており、昨年2月には19年3月から約5年間維持してきたトップ10から陥落。今季もドバイ開幕前の段階で3勝4敗と苦戦を強いられていた。
そこでチチパスは「近年のボールやサーフェスの球足の変化に対応する」目的でラケットを新調。それが早くも奏功し、今大会はロレンツォ・ソネゴ(イタリア/35位)、カレン・ハチャノフ(ロシア/24位)、マテオ・ベレッティーニ(イタリア/30位)、タロン・フリークスポール(オランダ/47位)といったツアー屈指の実力者たちをなぎ倒して決勝へと駒を進めていた。
決勝の相手はすでに今季2勝を挙げている24歳のオジェ-アリアシム。非常に厳しい戦いとなることが予想されたが、この試合はチチパスがベースライン上での力強いストロークを軸に主導権を掌握した。計3度のブレークに成功し、反対に相手の7本のブレークポイントは全てセーブ。粘り強さも発揮したチチパスが1時間28分で勝利を収めた。
ようやく“ATP500の呪い”から解き放たれたチチパスは試合後のインタビューでプレー内容を振り返り、次のように充実感を語った。
「ドバイで3度目の挑戦にしてついにこのトロフィーを手にしたことには、大きな安堵感がある。これ(ドバイ優勝)はずっと心の片隅にあった目標だったから、達成できて本当にうれしい。対戦相手は素晴らしい選手で、簡単な試合ではなかったけど、プレッシャーがあった中で自分をコントロールし、大事な場面でしっかりとプレーできたことを誇りに思う」
チチパスのツアー優勝は昨年4月の「ロレックス・モンテカルロ・マスターズ」(クレー/ATP1000)以来約1年ぶり。大会後に更新される世界ランキングでも1年越しのトップ10復帰が確定した。最後には「トップ10に戻れることは、選手として最高の気分。そこに至るには努力と犠牲が必要だが、こうして自分の努力が報われたことを心からうれしく思う」と喜びを明かした。
一方敗れたオジェ-アリアシムは惜しくも今季3勝目とはならず。「今日は自分の日ではなかった」と悔しさを滲ませつつ、「ステファノスと彼のチームにおめでとうと言いたい。僕たちは長い付き合いだけど、今日は本当に素晴らしいプレーをしていたね」と素直に勝者を称えた。
文●中村光佑
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