男子テニスツアーのマスターズ1000シリーズ「BNPパリバ・オープン」(3月5日~16日/アメリカ・インディアンウェルズ/ハードコート)が現地5日に開幕し、シングルス1回戦に元世界ランク4位の錦織圭(76位)が登場。ノーシードのジャウメ・ムナール(スペイン/同58位)を6-2、5-7、7-6(3)で下し、2回戦へ駒を進めた。
2025年シーズンの錦織は、開幕戦の「中国銀行・香港テニスオープン」(ATP250)で準優勝を飾り、四大大会「全豪オープン」では2回戦でトミー・ポール(アメリカ/現11位)に敗退。その後に開催された男子国別団体戦「デビスカップ・ファイナル予選1回戦/日本対イギリス」では母国の勝利に貢献したものの、2月に参戦した「ダラス・オープン」(ATP500)と「デルレイビーチ・オープン」(ATP250)では共に初戦敗退を喫していた。
錦織が「BNPパリバ・オープン」に出場するのは約3年半ぶり12度目。注目の初戦で対峙したのは19年5月にキャリアハイの52位をマークした27歳のムナールだ。両者は昨年9月の下部大会「AONオープン・チャレンジャー」(クレー/CH125)の準々決勝で1度だけ対戦しており、この時は錦織が6-2、4-0とリードしたところから逆転負けを喫していた。
約半年ぶりの再戦となったこの試合は錦織が序盤からアグレッシブな攻撃を見せ、開始直後からいきなり4ゲームを連取。自身のサービスゲームでは再三のブレークのピンチを粘り強いプレーで凌ぎ、前回同様6-2で第1セットを先取した。
第2セットは第2ゲームで錦織が先にブレークを許すも直後の第3ゲームですぐにブレークバック。3-3で迎えた第7ゲームでは相手の度重なるエラーに乗じて2度目のブレークを奪う。しかし直後の第8ゲームで、自らを鼓舞して息を吹き返したムナールの力強いショットに押され、2度目のサービスダウンを喫してイーブンに。錦織は第12ゲームでもミスから崩れ、接戦の末にセットオールに持ち込まれた。
運命のファイナルセット、疲労の色を隠せない錦織は第3ゲーム終了時にメディカルタイムアウトを要求し、左脚の応急処置を経てプレーを続行。第4ゲームではケイレンにより同箇所を引きずる仕草を見せるも、短いポイントを取りにいく攻めのプレーで光明を見出し、第7ゲームでついに錦織が均衡を破る。だがそれに負けじとムナールも第8ゲームでブレークバック。勝負の行方はタイブレークに委ねられた。
それでも最後には諦めずに戦い続けた錦織に勝利の神様が微笑んだ。タイブレークでは終始主導権を握り、マッチポイントを1度で取り切って勝負あり。途中棄権もあり得たところから見事生還し、約3時間にも及ぶ熱戦をものにした。
デ杯以来約1カ月ぶりの白星を挙げた錦織は、勝利後のインタビューで次のように試合を振り返った。「簡単ではなかった。フィジカル面で苦しみ、ほとんど諦めかけていた。何とか立ち直って勝てたから、とても良い試合だった」
2回戦で第18シードのユーゴ・アンベール(フランス/19位)と対戦する錦織。脚の状態は心配だが、次戦も奮闘を期待したい。
文●中村光佑
【動画】錦織圭がムナールを破った「BNPパリバ・オープン」1回戦のハイライト
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2025年シーズンの錦織は、開幕戦の「中国銀行・香港テニスオープン」(ATP250)で準優勝を飾り、四大大会「全豪オープン」では2回戦でトミー・ポール(アメリカ/現11位)に敗退。その後に開催された男子国別団体戦「デビスカップ・ファイナル予選1回戦/日本対イギリス」では母国の勝利に貢献したものの、2月に参戦した「ダラス・オープン」(ATP500)と「デルレイビーチ・オープン」(ATP250)では共に初戦敗退を喫していた。
錦織が「BNPパリバ・オープン」に出場するのは約3年半ぶり12度目。注目の初戦で対峙したのは19年5月にキャリアハイの52位をマークした27歳のムナールだ。両者は昨年9月の下部大会「AONオープン・チャレンジャー」(クレー/CH125)の準々決勝で1度だけ対戦しており、この時は錦織が6-2、4-0とリードしたところから逆転負けを喫していた。
約半年ぶりの再戦となったこの試合は錦織が序盤からアグレッシブな攻撃を見せ、開始直後からいきなり4ゲームを連取。自身のサービスゲームでは再三のブレークのピンチを粘り強いプレーで凌ぎ、前回同様6-2で第1セットを先取した。
第2セットは第2ゲームで錦織が先にブレークを許すも直後の第3ゲームですぐにブレークバック。3-3で迎えた第7ゲームでは相手の度重なるエラーに乗じて2度目のブレークを奪う。しかし直後の第8ゲームで、自らを鼓舞して息を吹き返したムナールの力強いショットに押され、2度目のサービスダウンを喫してイーブンに。錦織は第12ゲームでもミスから崩れ、接戦の末にセットオールに持ち込まれた。
運命のファイナルセット、疲労の色を隠せない錦織は第3ゲーム終了時にメディカルタイムアウトを要求し、左脚の応急処置を経てプレーを続行。第4ゲームではケイレンにより同箇所を引きずる仕草を見せるも、短いポイントを取りにいく攻めのプレーで光明を見出し、第7ゲームでついに錦織が均衡を破る。だがそれに負けじとムナールも第8ゲームでブレークバック。勝負の行方はタイブレークに委ねられた。
それでも最後には諦めずに戦い続けた錦織に勝利の神様が微笑んだ。タイブレークでは終始主導権を握り、マッチポイントを1度で取り切って勝負あり。途中棄権もあり得たところから見事生還し、約3時間にも及ぶ熱戦をものにした。
デ杯以来約1カ月ぶりの白星を挙げた錦織は、勝利後のインタビューで次のように試合を振り返った。「簡単ではなかった。フィジカル面で苦しみ、ほとんど諦めかけていた。何とか立ち直って勝てたから、とても良い試合だった」
2回戦で第18シードのユーゴ・アンベール(フランス/19位)と対戦する錦織。脚の状態は心配だが、次戦も奮闘を期待したい。
文●中村光佑
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